からだ

冬の全身かゆみの原因、洗いすぎ・保湿しすぎかも!?

  • 撮影・黒川ひろみ イラストレーション・ノグチユミコ 文・鈴木智子

[かゆみの原因 3]ストレス過多や更年期はかゆくなりやすい。

実はかゆみとメンタルには深い関係があるという。

「プレッシャーやストレスを抱えていると、頭をかいたり、鼻や目をこすったり、無意識に肌を触っているはず。ストレスによりかゆみを誘発する物質が放出されるため、イライラをまぎらわせようと肌をかく掻破(そうは)行動に向かうのです。かけば一時的にストレスが消えますから。かゆみは精神状態に支配されていてストレスは“かきたい”という衝動と密接な関係なのです」

強いストレスは筋肉を緊張させ、末梢の血管を収縮させて皮膚の血流を低下させる。それが続くことで皮膚の機能も低下し、これもかゆみの原因に。また、女性にかゆみを訴える人が多いのにはこんな理由がある。

「ホルモンの急激な変化が起こる更年期は、自律神経のバランスを崩しやすいとき。更年期症状のイライラがかく行為に向かわせ、落ち着くためにかき癖がついてしまうこともあるのです」

かくという行為は快感が伴うので、ストレス解消のため習慣化する場合も多いという。

「指や足の甲、靴下の跡がついたところ、骨の出っ張りのある部分などはかくと気持ちがいい部位。ここを無意識にかいていたらかき癖を疑ってみましょう」

[かゆみの原因 4]かき続けていると、体にどんな変化が起きる?

かゆみとはいったい何なのか、かゆみのしくみとは?

「かゆみは皮膚の異常を知らせるシグナル、いわば皮膚の声です。それを聞くと本能的にかゆみに対抗しようとかいてしまう。それで一時的にかゆみは解消されますが、かくことでその部位に損傷が起こり、炎症が悪化して余計かゆみが強くなっていきます」

かくことは気持ちがよく、それにより快楽ホルモンと呼ばれるドーパミンが分泌される。その誘惑に抗えずにかき続けてしまうとこんなことにも。

「かいた部位のバリア機能が損傷して、皮膚内部の神経端末が伸びて敏感になり、少しの刺激にも反応するようになります。その結果、皮膚が過敏症になることもあります。そして一部だったかゆみが周辺にまで広がる反射も起こります。またメンタルと関係が深いため、かゆみ自体がストレスになることもあり、皮膚症状が悪化して心身にダメージをもたらす結果にもなるのです」

かく行為は気持ちよさを伴うので、やめられないと深刻な皮膚の状態になることも。
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