からだ
くらし

軽減したい、日常のストレス。でもその解消法、合っていますか?

  • イラストレーション・山下カヨコ 文・板倉みきこ

× 夜は熱いお風呂に入ってスカッとする。

自律神経は、体温や血圧のコントロール、発汗にも関わっている。

「体温を急上昇させる熱い湯は、自律神経への負担大。また、汗をかくのも疲労の原因に。じんわりならいいですが、流れるほど汗をかくのはやりすぎです。激しい運動で爽快感を得るのは、脳内麻薬とも呼ばれる幸福物質が脳で分泌されているから。疲れているのにジム通いが欠かせないと思うなら、依存症と同じと考えてください」

汗をかくことが爽快感のポイントになっているかも。疲れているときに自律神経を必要以上に刺激しないこと。

○ 多少ストレスがあるときのほうがいろいろテキパキこなせる。

「そのとおりです。適度なストレスを感じていると、脳も自律神経も活性化されて抵抗力も増すので、活動的に過ごせるでしょう」
しかし、仕事や家事がはかどるからといって、その状態をずっとキープしようとするのは問題。

「自律神経は切り替えが大事なので、オンにしたら必ずオフも入れましょう。オンの状態がそのまま長く続くと、神経細胞は劣化して錆びてしまいます。オンになっている時間と同じ分、しっかりと休むよう心がけてください」

△ 疲れたときは悲しい映画を見て号泣。

落ち込んでいるときに、自分の感情にそぐわない楽しい映画を見ても逆効果に。暗い映画を見るのは妥当、と梶本さん。

「泣くと一時的な興奮を得、結果、神経を抑えようと脳が働きます。眠りにつくための作業として一定の効果はあるでしょう。ただ、これはショック療法に近い。号泣して興奮すると交感神経が優位になるので、さらに疲れてしまうことも。何事も過剰は禁物です」

○ 休みの日はお昼までごろごろする。

慢性的な睡眠不足だと脳の疲労を解消できないので、ストレスを感じやすくなるという悪循環に陥る。

「平日もしっかり眠れるのが理想です。でも休日だけでも睡眠を多く取るようにすると、ある程度のマイナスは返せるという、研究データも。もちろん寝だめで貯金はできませんし、寝不足の借金を全部返せるわけではありませんが、ずっと睡眠時間が少ない状態が続くより、脳への負担は減ります」

平日の平均睡眠時間が5時間以内なら、休日は7時間以上眠れるようにするとよい。

× 適量のお酒でリラックス。

お酒を飲むと、自律神経は麻酔をかけられたような状態になる。

「飲んでいるときは疲労を感じるスイッチがオフになり、元気が回復したように思いますが、それは一過性のものです。リラックスすること自体は間違いではないけれど、最終的に自律神経に負担をかける。お酒のせいで眠りは浅くなるし、必ずぶり返しがきて疲れが増します。疲れているなら、飲まないほうが体のためになると心得て」

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