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軽減したい、日常のストレス。でもその解消法、合っていますか?

  • イラストレーション・山下カヨコ 文・板倉みきこ

△ 原因不明の体調不良はストレスのせいと諦める。

「ストレスによって疲労が起こり、生活習慣病やがんになるリスクはありますが、何でもそのせいにするのは問題。原因がわからないと、何でもストレスが原因と言う医者も悪いんです(笑)。でも原因不明の病気とされるものも、ほとんど原因があります。医者がまだ解明できていないだけなんです」

例えば不眠の症状でも、内臓や神経の疾患なのか、環境問題なのか、原因はいろいろと推測でき、そこから改善策も考えられる。

「体調不良があるなら医者任せにせず、いつ頃起きたか、どういうときにひどくなるかなど、経緯や症状を自分でしっかり考えてみる価値は充分にありますよ」

○ ペットと触れ合うとイヤなことを 忘れられる。

「ペットと触れ合うことでリラックスするのは、副交感神経が優位になり、脳内でオキシトシンなど幸福ホルモンと呼ばれる脳内物質が分泌されるからです」

ただ、蓄積されたストレスそのものは解消されにくい。

「取り除きたいストレスや疲労を軽減させる程度の効果があるだけ。でも、副交感神経が優位になれば睡眠の質は向上するので、上質な睡眠をしっかり取り続ければ、いずれ疲労は解消するでしょう」

多幸感を与えてくれるオキシトシンは、子ども、ペットなどとのスキンシップでも分泌が促進される。

○ 頭が冴えて眠れないときは諦めて本を読む。

「睡眠の質を高めるには、ベッドでは眠る行為以外はしないほうがベター。ベッドで本を読むのは厳禁です。ただ、無理に眠ろうとするとかえって頭が冴えるので、いったんリビングなどで5〜10分ボーッとして、また眠くなってきたらベッドに戻るのがいいのでは」

その際、本を読むのもいいが、続きが気になったり心を揺さぶられる内容のものではなく、写真集など眺める程度で済むものを。

リラックス状態でないと入眠できない。興味や関心が高まる本や動画、SNSを見ると覚醒に向かってしまう。

○ 新しく感動できることを探す。

「加齢とともに自律神経の機能は低下。理性を司る前頭葉や感情を司る扁桃体も老化するので、感情のコントロールが下手になってきます。些細なことで泣いたり、怒ったり、笑ったり。医学用語ではこれを“感情失禁”と呼びます」

本来持っていた気質によって、ネガティブ、ポジティブ、アグレッシブなど、感情がどの方向性に突出していくかは人それぞれ。

「ただ、感動は老化とともに減っていくので、新しい価値観を取り入れて感動が増すのは素晴らしいこと。未体験のことに挑戦したり、趣味を増やしたり、脳に新しい刺激を与えて活性化させることは、ぜひ実践してほしいです」

『クロワッサン』1020号より

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