食材の色は、中医学で特に重視される観点のひとつ。
「食材の色は『青』『赤』『黄』『白』『黒』の五色に分類され、それぞれ『肝』『心』『脾』『肺』『腎』の五臓に働きかけると
考えられています。たとえば、冬に溜まった毒を排出したい春には、ほうれん草、春菊などの肝蔵の働きをサポートする『青』の食材を意識して、多めに摂るといいです」
秋冬に積極的に摂りたい色の食材も。
「日ごとに寒さと乾燥が増す秋は、肺や肌の乾燥によるトラブルが増えがちです。そのため、肺や肌にうるおいを与える『白』の食材がいいですね。秋に収穫を迎える豆類やきのこ類、芋類もおすすめです。また、体が寒さにさらされる冬は、冷えを嫌う腎が消耗します。体を温める『黒』の食材や、地面下でエネルギーを蓄える根菜類を多めに取り入れましょう。ほうれん草や春菊といった冬の青菜は、風邪予防や血液浄化が期待できますよ」
それなら、と張り切って季節のおすすめ食材だけを食べていると栄養が偏ってしまうので、バランスが肝心。
「なにより楽しくないでしょう?(笑) 4つの大原則どおり、食事は楽しまなくちゃ。なので、五色の食べ物をまんべんなく取り入れながら、その時季の体調をサポートする色の食材を多めに摂るというのが賢い食べ方です」
好みの食材が『寒性食品』だったとしてもがっかりすることはない。
「煮物や炒め物、スープなどの温かい料理にして食べれば、『寒性食品』でも体は温まります。また、しょうがやねぎといった体を温める薬味をプラスするなど、冷やさない工夫をすれば大丈夫。逆に言うと『熱性食品』も冷やして食べるとせっかくの温め作用も働きづらいのです」