くらし

退職金は一時金か年金型か? お金のプロに聞いた。

会社勤めをする誰にも、やがて訪れる定年という一大事。
退職金や年金について、知らないと大損する可能性も!?
マネージャーナリストで弁護士の板倉京さんに教わります。
  • イラストレーション・SANDER STUDIO 文・石飛カノ

Q.退職金は一時金でもらう? それとも年金型でもらう?

A.基本的には一時金でもらうほうがお得。ただし一部を年金型に回す裏技もあり。

退職金は退職時に一括して支給する「退職一時金制度」と年金型で支払う「企業年金制度」の2種類があります。基本的には一時金でもらう人が多いと思いますが、会社によっては双方から選択できることもあります。

私の事務所に相談に来られる方の中には、勤め先の会社が両方を採用していて一時金と年金の割合を退職日の何カ月前までに決めてください、と言われたケースもあります。

ただし退職所得控除は一時金にしか適用されません。非課税枠の範囲に収まる金額なら、一時金でもらうほうが断然お得です。

とはいえ、非課税枠以上の退職金をもらう人には、こんな裏技もあります。退職金に非課税枠があるように、年金にも非課税枠があります。60歳から64歳の5年間は1年につき60万円までの年金には税金がかからず、最大300万円を非課税で受け取れます。

会社によっては60歳から5年間だけ年金を受け取る「5年確定年金」というシステムもあるので、退職所得控除額以上の退職金の一部をこの年金で受け取るという手も、またありです。

●退職金制度のいろいろ

板倉 京

板倉 京 さん (いたくら・みやこ)

マネージャーナリスト、税理士

ウーマン・タックス代表。大手会計事務所、財産コンサルティング会社勤務などを経て税理士事務所を開業。『定年前後のお金の正解』など著書多数。

『クロワッサン』1111号より

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