【瀬戸で器探し】目利きに教わるモノ選びのコツ!──白土が生む器を求めて日本六古窯の瀬戸へ
撮影・村上未知 文・田辺千菊(Choki)
日本各地の窯元や作家のもとへ足を運び、その土地の風土や暮らしに触れながら買い付けを行う『工芸喜頓』の石原文子さん。器選びの視点を探るべく、彼女の買い付けの旅に同行した。
手作りの器は一期一会の出合い。それが魅力である反面、後からの買い足しが難しい。だからこそ、これぞという器に出合えた時は、1枚多く購入しておくのが石原さんのスタイルだ。
「店頭で『器は同じ窯元で揃えたほうがいいか?』とよく聞かれます。当然、同じ土でできているのでまとまりはよいですが、手持ちの器と組み合わせるのも楽しんでほしいです」。その際、同じ窯元の器が複数あると、足し引きや組み合わせのバランスの調整がしやすくなるのだそう。
「モノ選びで大切なのは、“自分の好み”を見つけること。機能性に縛られすぎてしまうと、単なる道具に留まってしまいます。“手元にあると楽しい”と思えるものを選んでいくと、日々の暮らしが愛おしいものになるでしょう」
瀬戸・ものづくりと暮らしのミュージアム 瀬戸民藝館
瀬戸のものづくりと、民藝の美に触れる
250年以上続く窯元「瀬戸本業窯」8代後継の水野雄介さんが尽力し、2022年に開館。分業制で受け継がれてきた同窯の歴史をはじめ、江戸時代からの日常使いの器や、登り窯の公開を通じて民藝の美を伝える。2階は民藝運動に感銘を受けた6代水野半次郎の暮らしの場を再現。「瀬戸本業窯」の器や、暮らしの道具を紹介するショップも併設。
隣接する
瀬戸本業窯
瀬戸で採れる白い土と多彩な釉薬を使うのが特徴。渦巻き模様の「馬の目」や縦縞の「麦わら手」の器は白洲正子にも愛された。工房には入れないが、窓越しに作業を見学できる。
愛知県瀬戸市東町1-6
薬膳茶 SoybeanFlour
心と体を整える養生食を民藝の器で
国際中医薬膳師の資格を持つオーナーが営む薬膳カフェ。ランチは季節の野菜を15種類以上取り入れ、それを民藝の器が彩りよく引き立てる。名物の「ごも」は、「瀬戸本業窯」直伝のレシピで作る五目飯のこと。窯焚きの際、職人に振る舞ったという力飯だ。オリジナルブレンドの薬膳茶や、グルテンフリーのスイーツもほっとさせる味わい。
賀登光本店
瀬戸の職人を支えたパワーフード
創業は1917(大正6)年。焼き物の一大産地・瀬戸で、味がしっかりしてさっと食べられるうどんが力仕事をする人たちを支えてきた。その伝統を汲み、今も愛されるのが「スタミナ味噌煮込みうどん」だ。大量のにんにくと鷹の爪、にら、生卵が入った、まさに元気の出る一杯。力強いコシの手打ち麺も、パンチのあるスープに負けない存在感。
MASUKICHI
瀬戸の手仕事が息づく古民家に泊まる
明治時代に活躍した陶工・川本桝吉の邸宅を宿泊施設にリノベーション。築約140年の風格が漂う元大豪邸で、全8室の客室を備え、最大24名まで宿泊可能。ソファやクッションが置かれたくつろぎスペースも点在。共用キッチンの器が瀬戸焼というのも贅沢だ。1階にはカフェとお土産コーナー、瀬戸の窯元の器を取り揃えたショップも併設。
『クロワッサン』1169号より
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