【益子で器探し】目利きの買い付け旅に同行!──民藝とともにある営みにも触れる
撮影・村上未知 文・田辺千菊(Choki)
「産地を訪れ窯元を見て回ると、器が生まれた背景はもちろん、それらが生き生きと使われている日常を垣間見ることができます。そうした日々の営みに触れることも、買い付けの大切な要素になるんです。今回訪れた益子は、民藝と深く結びついた“食”や“暮らし”を体験できる場所が充実しているので、おすすめです」(石原さん)
大誠窯
益子の土と登り窯が生む滋味深い美しさを持つ器
165年前に創業し、現在は7代目の大塚誠一さんが窯を継承。山から原土を掘り出し、釉薬を作り、蹴ろくろと薪窯を用いた昔ながらの手法で作陶に励む。「焼き鳥を備長炭で焼くとおいしくなるように、器も薪窯で焼くと味わいが出るんです」と大塚さん。自然をより身近に感じる力強い焼き物作りを目指す。
Mingel Farmhouse Beer & Bread
ビールとパン、そして器。クラフトと食の交差点
「民藝」と「ミングル(交流)」を組み合わせた店名のとおり、クラフトカルチャーの魅力を発信。天然酵母のパンは、量り売りのカンパーニュやベーグル、バナナケーキなど約10種類が並ぶ。タップから注がれる生ビールは常時4種類。パン皿には、益子の陶芸家・佐々木康弘さんや「えのきだ窯」のプレートを使用。
民芸店ましこ
益子焼を知り尽くした確かなセレクト
益子焼の巨匠・濱田庄司と懇意にしていた初代が益子焼を広めるため、1952(昭和27)年に開店。「濱田窯」歴代陶主の作品から若手作家の器まで、益子焼の魅力を伝える。「作り手への愛情をとても感じられるお店。流行りに流されず、益子に関連するもののみを紹介する姿勢も好きです」(石原さん)
古道具 時余利
心の余白を埋める、小さな豊かさを暮らしに
俳句の「字余り」になぞらえた店名は、「時間や時代の中で消費されずにはみ出たもの」という意味。店主の君島北斗さんが国内で買い付けた、陶器やガラス、木工品、布物、家具などが空間を満たす。「ひと目惚れした掛け分けの徳利は花瓶に。横広がりの枝物を生けて、リビングにある古い作業台に飾っています」(石原さん)
益古時計
ゆったりとマイペースに過ごせる、森の隠れ家
益子の中心部からほどよく離れた、森の中にあるプチホテル。「時間に縛られず、益子の街を楽しんでほしい」と、20年前からB&B形式を貫く。石造りの内風呂と露天風呂はいずれも貸し切りで利用でき、ゆったりと過ごせる。朝食に洋食を選ぶと、隣接する人気ベーカリー『Natural Bakery 日々舎』のパンが味わえる。
『クロワッサン』1169号より
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