【国宝・彦根城】堀に囲まれた城内を巡った後は、足軽組屋敷の風情を味わう
撮影・福森クニヒロ 構成&文・中條裕子
戦に巻き込まれることもなく、江戸時代の趣そのままを伝える彦根城。築城当初は戦闘に備え、防御のための櫓がいくつも城内に設けられた。それらを眺めながら丘陵を上ると、小ぶりながら趣向が凝らされた天守が現れる。
実際に天守内に入ってみると、自然木を使用した梁が所々見られ、独特な雰囲気を醸す。急な階段を上るとその先は最上階。窓から彦根市街が一望でき、その向こうには琵琶湖が。天守がここに建てられた理由がよくわかる。
天守を後にし、その裏側から石段を降りていくと、内堀に面した〈玄宮園〉へほどなく到着。こちらは4代藩主・井伊直興が造営した、下屋敷と池泉回遊式の大名庭園だ。
堀に囲まれた城内をくまなく巡ったら、城下町の景色を楽しみつつ、さらにその先へ。住宅が立ち並ぶ一角が現れるが、ここはかつて藩の足軽組屋敷だった区画。ほとんどが個人所有で屋敷の中は見られないが、食事処やギャラリー、宿として利用できるところも。当時の特徴的な町割りを残すエリアにぜひ足を向けてみたい。
滋賀県彦根市金亀町1-1 TEL:0749-22-2742 8時30分~17時(16時30分受付終了) 無休 入場料1,000円(玄宮園と共通)
彦根城周辺 立ち寄りスポット
善利組足軽組屋敷 旧磯島家住宅&辻番所
足軽組屋敷が並ぶ一角にあるのが辻番所。道路が交差する場所にあり、当時はここに24時間体制で足軽が詰め、城下の警備がされていた。全国でもこうした建物が残っているのは唯一ここだけ。週末や祝日には、隣接する足軽組屋敷とともに、中に入って内部の構造などを見学することができる。
土鍋ご飯 SUZUMIAN&再興湖東焼 一志郎窯ギャラリー
江戸時代後期に藩窯として栄えた湖東焼。その技術の高さに加え20年ほどで廃れたため、幻の焼き物といわれている。その湖東焼を再興した中川一志郎さんが足軽組屋敷で開いたギャラリーがこちら。併設する食事処で、湖東焼の土鍋を使って目の前で炊き上げる、ご飯が主役の定食が評判に。
ローチョコレート工場 ハレとケと。
足軽組屋敷をリノベーションした空間で、生のカカオ豆を使い、低温調理で手作りするローチョコレートを販売。事前予約でチョコレートやケーキ、ドリンクをテイクアウトできる。カカオのコクと香りがしっかり感じられ、後味すっきりのローチョコレートは体にも優しく、また目にも楽しい形。
足軽組屋敷に泊まれる一棟貸しのお宿
辻番所通りに立つ村山家住宅がこの夏一棟貸しの宿としてオープン。メインの和室のほかベッドルームがあり、5〜6人で宿泊可能。ゆったり独自の時間が過ごせる。
『クロワッサン』1169号より
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