くらし

心理カウンセラーに聞く、運を切り開くための朝の習慣。数分の行動で人生が好転!

  • 撮影・黒川ひろみ イラストレーション・佐々木一澄 文・松本あかね

その場歩きを2分間行う。

▶︎ 自分の軸が堅固になり、SNSの噂でくよくよしない。

目を閉じてその場で足踏みを2分間。実際にやってみると、ふらついたり、あらぬ方向へ移動していたり、「ブレている」自分に気づくはず。けれど毎朝、続けていくうちに体に軸ができ、同じ場所で続けられるようになる。

「私たちは相手が理解しているか、私をどう思っているかなど相手を中心にして物事を考えがちです。体幹ができると自分が中心になる。すると細かなことが気にならなくなり、自分にメリットのないことはスルーできるようになるのです」

自分軸があれば、ふりかかる災難もかわし、いつもストレスフリーな状態でいられる。

「すると表情が変わって明るくなります。女性も男性もね。これには驚かされます」

ブレない自分を体感することで、外から惑わされないようになる。

生きる目的を口にする。

▶︎自分のするべきことに集中できるようになる。

朝、目覚めたらベッドの中で「何のために生きるか」を頭の中、もしくは口に出して宣言しよう。例えば「きれいになるために生きる」。

けれど、そう口にした途端に「いやいやそれは無理」という声がどこかから聞こえてくるのも事実。

「これを『意識の抵抗』といいます。積み重なれば『無意識』の上には『きれいになれるわけがない』という言霊のほうが深く刻まれてしまう」

そこでルーティンの出番。

「ルーティンにすれば、慣れてしまって意識が抵抗しにくくなり、言葉の力で自己暗示にかかる。すると寝る時間が早くなったり、スキンケアをするようになったり。いつのまにかきれいになる行動を続けているようになるのです」

やるべきことが明確になれば、目的も自ずとかなうといえそうだ。

鏡の中の自分に5分間向き合う。

▶︎ 他人に振り回されない自分になれる。

鏡の中に映った自分の顔を5分間眺めるのは、意外に長い。

「多くの人は自分が普段どういう表情をしているかわかっていません。だから、険しい表情、不審げな表情などを無自覚にしています」

そのことに気づかせてくれるのがこの毎朝の5分間だ。

「5分の間には様々な感情が巡るはず。その時々の表情筋を観察してください。その情報がインストールされて、どの感情のときにどういう表情をしているか、という認識が自分の中でできるようになるのです」

すると次第に豊かな表情が育まれ、初対面や面接でも好印象に。

「感情をきちんと表情で伝えると、周りはそれを無視できませんから、自然に尊重されるようになります」

自分の様々な表情は意外と自覚していないもの。じっくり観察を。

口ぐせを、「美しいですね」に変えてみる。

▶︎一日のクオリティが上がる。

「ムカつく」「イラつく」……もしもそんな口ぐせがあったら要注意。

「心に浮かぶだけでも、その言葉は結局自分に返ってきます」

つまり、自分の周りは「ムカつく」「イラつく」ことだらけと自ら言い聞かせているようなもの。そこで思い切って口ぐせを「美しい」に変えてみるとどうなるか。

「美しい部分を探すようになるし、美しいものに注目するようになれば、世の中への認識も変わります」

「世界は美しい」という境地に到れば生活の質が上がるばかりでなく、自分自身が美しく輝き始める。

「言葉で損なうことなく、本来の美しい自分に還っていくのではないでしょうか。言葉の汚い人はそれなりに、言葉が美しい人は美しくなる、つくづくそう思います」

言葉は言霊。美しいと口にすることで、それが自分に反映される。

脳内筋トレを行う。

▶︎ 自分のことを好きになれる。

例えばスクワットを100回やっている自分を想像してみよう。どの筋肉が伸び、縮み、熱を帯びるのか。具体的に意識をフォーカスするルーティンを続けるだけで、実際に筋トレをするのに近い効果があるというから驚きだ。

「実際にやせるクライアントさんもいますし、このルーティンを続けていると本当に体を動かしたくなります。運動が億劫だというのは実はメンタルの問題。体を動かすイメージがしっかりできてさえいれば、体を動かすこと自体はちっとも億劫ではなくなるのです」

意識するとできないことも、「無意識」に定着させると実行はずっとスムーズに。セルフイメージがプラスになれば、次第に自分のことを認められるようになるはず。

脳内で筋肉を意識することにより、不思議と引き締まっていく。

心の中の窓を開ける。

▶︎ 不快な感情が消え、生きづらさがなくなる。

イメージをしなくても、「心の中の窓を開ける」と頭の中や口で言うだけで充分な効果がある。

「案外、人は本当の自分を隠しています。こんな自分はかっこ悪いとか、見たくないものに蓋をして生きている感じの人が多いのです」

よくあるのは、子ども時代のいじめの記憶や、若気の至りの忘れたいエピソードなど。

「〝黒歴史〟は隠せば隠すほど人生の辻褄が合わなくなります。自分に嘘をついていることになるし、周りにも嘘をつかざるを得なくなる。心の窓を開けるということは、それを解き放つこと。そうすることで本来の自分に戻れるのです」

漠然とした生きづらさも、心の換気をよくすれば、いつしか消えてなくなっていく。

腹式呼吸を気が済むまで繰り返す。

▶︎ ぐっすり眠れるようになる。

息を吸って、お腹に軽く力を入れて吐き切る。それを溜まっていたものを吐き出すつもりで繰り返す。

「不快な感情を排出するイメージです。心理学で『ストレスの樽』という言い方をしますが、樽があふれると症状が出てきます。息を吐き出すという行為が樽から水を出すという暗示になるのです」

例えば自分が何に対して怒っているかが明確でないと、「怒り」は吐き出せない。けれどストレスの原因はわからなくても息を吐き出すことで排出できるというイメージにより、実際に「ストレスの樽」に余裕ができてくるという。

「ストレスのキャパが増えると、まあいいかと様々なストレスを受け流せるように。心がデトックスできて安眠できるようになります」

大嶋信頼

大嶋信頼 さん (おおしま・のぶより)

心理カウンセラー

日本発トラウマ治療のための心理療法、FAP(Free from Anxiety Program)療法開発者。インサイト・カウンセリング代表取締役。著書多数。

『クロワッサン』1074号より

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