「一日のうち、台所で過ごす時間は本当に長いです。忙しい時は昼食をとるのもここ。いっそのこと寝袋を持ち込んで寝ようかと思うくらい」
そう笑って話す飛田和緒さん。あまたのレシピを生み出し、また日々家族の食事を作ってきた台所は「動きやすさを重視」した結果、意外なほどコンパクトだ。だが、空間を最大限活用したたっぷりの収納のおかげで、仕事柄たくさんある道具もきれいに収まり、すっきりと片づいている。
「少しでもスペースがあればなるべく収納にしてくださいと、リフォームの際にお願いしました」
台所をフルリフォームしたのは8年ほど前。それまで賃貸暮らしだったため、「自分の台所」を作るのは初めてだった。が、いざ具体的な希望を聞かれると、あまり思いつかなかったという。
「こだわったのはカウンターの高さと奥行き、大きいシンク、収納を多くすることくらい。カウンターや棚の素材、タイルの種類など、細かいところは全部お任せしました。それまで引っ越すたびに自分が台所に合わせてきたので『絶対にこうでなければ』というのはなかったんです。どんな台所でも料理できるし、ちょっとした工夫で前より使いやすくなるほうがうれしくて」