くらし

心地よい空間づくりがうまい人は見せ方上手。【ファッション&インテリアプロデューサー 石原さんの場合】

よく使うものは使う場所のそばに出しておく。当たり前のようでも、その見せ方にセンスが! 海辺の暮らしを参考にしよう。
  • 撮影・三東サイ 文・渡辺尚子

見えるところは趣味で統一。手作りもします。

扉のない食器棚。上段には、友人のこぐれひでこさんの絵。中段には洋食器。和食器や重い鍋類は下段に。

石原左知子さんが週の半分を過ごすのは、湘南のマンション。90平米のメゾネットに、しまいこんであるものはほとんどない。食器も、台所道具も、バスタオルも、1年分の服だって、棚の上の見えるところに置いてある。
「使うものが、すぐ手に届くところにあるのが好きなの。そもそも、箱物家具が好きじゃない。家具があると、床が立ち上がって部屋が狭く感じられるでしょう。あれがいやなのよね」と石原さん。ここまで徹底的に見せていても、すっきりとして居心地がいいのはなぜなのか。
「デザインの好きなものを選ぶから、隠す必要がないの」と言うけれど、そこはさすが。ライフスタイルショップを営んできた長い経験が部屋中の至るところに生かされ、美しく機能的な見せ方につながっている。

一番の特徴は、棚使い。
たとえば5段の食器棚。居間からも見える上部3段には、洋食器やガラスの器が並ぶ。最上部に飾った絵は、部屋のアクセント。一方で、棚の下部2段には重い鍋や「海辺のこの家では絵になりにくい」和食器を。
「初めて来た友だちも、どこに何があるかすぐわかるでしょう。気軽に台所に立って、洗い物もしてくれるから助かるのよね」
扉がないと埃がつきやすいのでは、という心配は無用。日々まんべんなく使っているし、棚にたまった埃は近頃安く手に入る化学繊維の棒状の埃取りでサッと拭えばよい。

[LDK]全体を青と白とテラコッタの色でまとめ、食器はカラフルに。

居間に配したカウチや椅子に座っても、オープンキッチンに立っても、海を眺めわたせる。エアコンは壁にはめこんだ。
テーブル脇の細い棚にクロスを収納。毎食時に掛け替えて楽しむ。
調味料は引き出しにしまいこむと使いにくいので、棚に。どこに何があるのかすぐにわかり、ゲストも気軽に腕をふるっていく。
調味料は揃いのボトルに移し替えて並べるようにしている。入れ替えの手間はかかっても、統一感が出て気持ちよく使える。中身がわかるよう、プラモデル用の塗料で手描きのラベリング。
「使いたいときに、手の届く場所にものがある」が基本。さながら船室のキッチン。
鍋や卓上コンロは食器棚の最下段に。「備品以外は見えるところに置いているの」
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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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