ひと抱えはある青花の大皿、翡翠色が美しい青磁は大中小と数十枚、日本ではあまり見ない配色、文様の色絵皿。ウー・ウェンさんの食器棚を眺めていると時を忘れそう。
「中国のうつわは、北京の実家からもらってきたものが多いですね。古い家なので、いつの時代のものかわからないものもたくさん」
ウーさんは、そのうつわを子どもたちが小さな頃から毎日の食卓で、惜しげもなく使ってきた。
「使ってこそうつわです。もったいないですよ、棚にしまっておくなんて。割れたり、欠けたりしたらショックですけど、金継ぎをして使い続けます」
旅先で陶磁器に出合ったり、意を決して漆器を購入したり、日本のうつわも大好きだというウーさん。
「やっぱり職人さんの技術がすごいですよね。蒔絵なんてほれぼれします」
皿や椀を買う場合、少なくとも数枚セットで買うことがおすすめだという。
「一人だからいらないと思っても、来客もあるし、割れたり欠けたりも。使っているうちに不思議と使い道が出てくるものだと私自身実感しています」