少し前まで「食器の数は最低限でよし」としていたという山藤陽子さん。その意識ががらっと変わったのは、『菓子屋ここのつ』を主宰する溝口実穂さんのお茶会に参加してから。
「おいしいという感覚以外にも、目で見る気持ちよさ、美しさの世界があったんだと。うつわ一つで食べたり飲んだりする行為が別の次元になることを教えてもらいました」
好きなうつわを毎日使っていると、所作が変わってくることも実感。
「シルクのドレスを着たら、自然に立ち居振る舞いが変わりますよね。同じように、うつわを大事に扱ったり、掌や唇に触れる感触を楽しむ時間を持つことで、所作も変わる。知らないうちに、心も整う気がしますね」