前田さんがはちみつの健康効果に目覚めたきっかけは、ある日突如覚えた喉の違和感。なんとも不快なイガイガする初めての感覚に襲われたことから。
いつもの対処法、はっか油のスチームバスもなぜかあまり効果なし。しつこいイガイガに長期間悩まされることになった。
そこで、天然のクローバーのクリームはちみつを試してみたところ、翌日にはなんとか症状が改善したという。ちなみに、クリームはちみつとは、天然はちみつの有効成分を損ねないよう低温で管理しながら、なめらかなクリーム状に仕上げたもの。
ところが、イガイガの気配再来がその後もやまなかったため、今度はニュージーランド産のマヌカハニーを試してみると、1〜2日で完治。その効果に感銘を受けて新たなはちみつワールドが開けたという次第。 「今では喉が痛いとき、咳が出るときは上を向いてゆっくり頭を回し、はちみつが喉の患部に当たるよう意識しながら時間をかけて飲み込むように。はちみつが当たったところは湿布を当てたようにひりひりして、ああきくきく! という感じです」
はちみつが喉の不調や違和感の改善に有効ということはよく知られていて、これまでに科学的な研究報告もなされている。
たとえば、咳。代表的な咳止め薬のひとつにデキストロメトルファンという薬がある。はちみつ(とくに、そばのはちみつ)はこの薬に匹敵する効果が期待できるという報告がよく知られている。
そもそも咳が出るというのは、喉に異物が入ってきてそれが溜まることによって脳の咳中枢が刺激され、喉に「咳を出せ」という司令を下し、体から有害なものを外に出すという反応。体が外敵から身を守ろうとする正常な反応だ。ところが、これが長く続くと喉には相当な負担がかかり、炎症などが引き起こされることになる。
はちみつに咳止めの作用があることは分かっていたが、それがどの成分のどんな効果によるものなのかは、いまだ不明な部分が多い。
ところが、2012年にこんな興味深い報告が。