からだ

うま味の相乗効果を利用して、満足感を得られる痩せレシピ。

  • 撮影・青木和義 文・シキタリエ

Q 身近な食材を使って赤身の牛肉を柔らかく仕上げるアイデアは?

脂の入った牛肉は焼くと脂が溶け出すことにより柔らかい食感に仕上がるが、ダイエットにおすすめの赤身は噛み切るのに苦労することも。「キウイの酵素を利用すると、20分間なじませるだけで肉質がほろりと柔らかくなります。そしてキウイが分解されるときにアミノ酸が出るので、その複雑な味も加わって味わいが増します」。キウイの甘酸っぱさがベースになったソースも新鮮味があり、食欲をそそる味わいだ。ゴールドキウイは酵素が少ないため、一般的な緑色のキウイを選びたい。

酵素で肉を柔らかく 牛肉のキウイマリネ焼き

【材料(2人分)】
牛肉(ステーキ用赤身)150〜200g、A[キウイ1/2個、醤油大さじ1、はちみつ小さじ1、おろしにんにく小さじ1/2、あらびき黒こしょう少々]、サラダ油小さじ1、ミニトマト2個、ベビーリーフ適量

【作り方】
1. キウイは皮をむき、おろし器でおろす。Aを混ぜ合わせ、牛肉を漬けて常温で20分ほど寝かせておく。
2. フライパンにサラダ油をひき、汁気を切った牛肉を並べて中火で焼く。半分ほど色が変わったら裏返し、弱火で1分半焼いて取り出す。ホイルに包んでしばらく休ませる。
3. 2のフライパンに残った漬けダレを入れて火にかけ、一煮立ちしたら火を止める。
4. 器に付け合わせの野菜を盛り、ホイルを外した牛肉をのせ、3のタレをかける。

【POINT】
(左)キウイはおろし器ですりおろすと、酵素が壊れにくい。
(右)30分以上漬け込むと肉がどんどん崩れてしまうので注意。

Q パサパサしがちな鶏むね肉をしっとりと仕上げるコツは?

「肉は7割が水分で、その保有率がジューシーさや柔らかさに影響します。加熱すると繊維が縮み、水分が出ていくため、これを逃さないような工夫が必要です」。そこで活躍するのが片栗粉。鶏むね肉の表面につけ、水分と一緒に加熱すると糊状になるため肉をコーティングしてくれるというわけ。鶏むね肉を薄く切るのも、水分が流出しないよう加熱時間を短くするためだ。カロリーは低いがパサパサ感が気になって鶏むね肉に手を出していなかった人も、これならしっとり、つるんと楽しめる。

片栗粉でしっとり つるんと鶏むね肉の煮物

【材料(2人分)】
鶏むね肉1枚、白菜2〜3枚、ねぎ1本、しいたけ2枚、だし400ml、塩少々、こしょう少々、片栗粉大さじ1、みりん大さじ1、醤油大さじ1、ごま油小さじ1

【作り方】
1. 鶏肉は薄いそぎ切りにして塩・こしょうをふり、片栗粉を薄くまぶす。
2. 白菜は一口大に切り、芯はそぎ切りにする。ねぎは斜めに切り、しいたけは薄切りにする。
3. 鍋にだし、白菜の芯を入れ、沸騰後1分ほど煮たら、白菜の葉とねぎを加えて2分ほど煮る。白菜が柔らかくなったら、しいたけと1を加える。
4. 3にみりんと醤油を加え、2分ほど煮たらごま油を回し入れる。

【POINT】
鶏むね肉を1〜1.5cm幅に切ることで、加熱時間を短縮。

平松サリー(ひらまつ・さりー)●科学する料理研究家、科学ライター。料理がおいしくできる仕組みを科学的に探究。著書に『おもしろい!料理の科学』(講談社)などがある。

『クロワッサン』965号より

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