からだ

Vol.26 トイレが近く排尿時に痛みます。【40歳からのからだ塾WEB版】

耐性菌を増やさないために、これだけは守ろう

膀胱炎の治療では、細菌の種類に合わせて抗菌薬を処方されますが、症状が良くなっても抗菌薬を途中で止めないことが大切です。
また、膀胱炎は繰り返すことも多い病気。過去にもらった処方薬が残っていても、むやみに飲むのは厳禁です。
「過去の薬が効くとは限りませんし、抗菌薬をむやみに飲んでいると、耐性菌を増やす原因となり、治りにくくなることがあります」(下稲葉さん)
 
ちなみに妊娠中に膀胱炎と診断された場合も、胎児への影響を考慮して抗菌薬の選択が異なります。妊娠の可能性がある方は、必ず医師に申告を。このときも、過去にもらった処方薬を自己判断で飲んだりしないことが大切です。

まとめると

  • 膀胱炎で処方される抗菌薬は、閉経前か後か、妊娠中かなどにより異なる
  • 自己判断で抗菌薬をむやみに飲まないこと
  • 抗菌薬は決められた用量・日数を守って服用すること
  • 症状が良くなっても治療の途中で止めないこと

抗菌薬が効かない「薬剤耐性」の問題とは?

抗菌薬の不適切な使い方により、世界中で抗菌薬の効かない耐性菌が増加し、抗菌薬が効かなくなる、効きにくくなるなどの問題が起きています。耐性菌が広まると、感染症に対する有効な治療法がなくなってしまうため、各国が拡大防止の取り組みを始めています。

診断から治療までのプロセスは? 何科にかかったらいい?

排尿に異常があるとき、診断や治療は以下のように行われます。

診断から治療のプロセス

女性下部尿路症状診療ガイドラインより一部抜粋

膀胱炎のような症状があるのに、尿検査で炎症や細菌が認められない場合には、ほかの病気が隠れていることも。尿の通り道に何か原因となる病気がないか、全身性の基礎疾患(糖尿病など)を調べることも重要です。
「頻尿や尿意切迫感(突然強い尿意が起こり、我慢することが難しくなる)があるときには過活動膀胱という病気の可能性があり、高熱を認める場合には腎盂腎炎を起こしている可能性があります。膀胱炎を繰り返す場合は、かかりつけの先生とも相談して、必要な場合は泌尿器科で詳しく診てもらうようにしましょう」(下稲葉さん)

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