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Vol.33 体のあちこちが痛みます。【40歳からのからだ塾WEB版】

  • 文・及川夕子 イラストレーション・小迎裕美子

米国の歌手、レディー・ガガさんが「全身の筋肉に激しい痛みが生じる病気で闘病中」と告白したことで、その病名が知られるようになった「線維筋痛症」。患者の約8〜9割は女性ということで、軽視できない病気です。
今回は、この線維筋痛症とは一体どんな病気なのか。治療法はあるのかなどについて、山王病院心療内科部長の村上正人さんに聞きました。

ガラスの破片がつき刺さるような激しい痛みが特徴

心療内科医の村上正人さんによると、「線維筋痛症」は、痛みが局所から全身に広がり、長いと数年も続く病気です。

痛みは軽度のものから激痛まであり、その痛みは「ガラスの破片がつき刺さるような痛み」「筋肉や骨が引き裂かれるように痛い」などと表現されます。重症化すると、気圧や気温、音、光、ちょっとした接触などの少しの刺激でも激痛がはしり、物が持てなくなる、横になって寝ることもできなくなるなど、自力での生活が困難になる人もいます。

また、痛み以外にも、目・口の渇き、朝のこわばり、手足のしびれ、倦怠感や疲労感、冷え、ほてり、過敏性胃腸症状、頭痛、腰痛、めまい、ふらつき、睡眠障害、抑うつなど、全身にさまざまな症状があらわれます。痛みに対する不安から、精神疾患を併発する率も高くなります。

痛みを抑えるシステムがうまく働かない

では、なぜそれほどまでの痛みが出てしまうのか。原因はよくわかっていませんが、「過重な身体的負荷やストレス、ホルモンの変動などが関係していると考えられています。過去になんらかの身体的外傷や心的外傷を負っており、その後新たな外傷やストレスが加わることで発症することが多く、介護、引っ越し、仕事などによる疲労の蓄積やけが・手術などが発症や憎悪のきっかけになることがあります」と村上さん。

本来、体には痛みがあるときには脳から神経伝達物質というものが分泌されて、痛みを抑えるシステムがあります。ところが線維筋痛症では、心身のストレスの影響から痛みを感じる脳や脊髄等の中枢神経に不調を来たし、痛みを抑えるシステム(下行性疼痛抑制系)がうまく働かなくなります。さらに、痛みが何度も繰り返されることで、脳が痛みに対して過敏になると考えられています。「患者さんの痛みは大変つらいもので、こむら返りのような筋肉の強い収縮、けいれんが全身に安静時にでも起こるような状態になります」(村上さん)。

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