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俳優、タレント・ファーストサマーウイカさんの着物の時間──単衣の絣は祖母のお下がり。背伸びしない着姿を目指しました

今回の「着物の時間」は、俳優、タレント・ファーストサマーウイカさん。大阪府出身。バラエティ、ドラマ、ラジオなど多岐にわたり活動中。劇場版『TOKYO MER 〜走る緊急救命室〜CAPITAL CRISIS』(公開日未定)に出演。

撮影・青木和義 スタイリング協力・近藤伊代 ヘア&メイク・山本絵里子 文・板倉みきこ 撮影協力・源心庵 着付け・奥泉智恵

日本の着物を“着物道”と捉えて、その精神性を大事にしていきたいです

ファーストサマーウイカさん 俳優、タレント、歌手、ラジオパーソナリティ。大阪府出身。バラエティ、ドラマ、ラジオなど多岐にわたり活動中。劇場版『TOKYO MER 〜走る緊急救命室〜CAPITAL CRISIS』(公開日未定)に出演
ファーストサマーウイカさん 俳優、タレント、歌手、ラジオパーソナリティ。大阪府出身。バラエティ、ドラマ、ラジオなど多岐にわたり活動中。劇場版『TOKYO MER 〜走る緊急救命室〜CAPITAL CRISIS』(公開日未定)に出演

バラエティ番組などで、色鮮やかな衣装をまとったファーストサマーウイカさんが画面に現れると、その華やかさに目を奪われる。「民族衣装が好き」と、普段から伝統文化に自分らしさをミックスするスタイルを好むウイカさんが今日まとう着物は、祖母から受け継いだ一着。いつも、自分に求められる役割、出演者とのバランス、媒体の色に合わせて、着るもの、ヘアメイクまでも自ら吟味するそうだが、今回も受け継いだ着物にどんなものを合わせるのか、日ごろ信頼するスタイリストと相談をしながら準備してくれた。

「『クロワッサン』は品がある雑誌、という印象があります。でも着飾った華やぎではなく、日常の延長線にある品の良さを大切にしている感じ。だから、肩の力を抜いて、ひとさじの華やぎや気高さをプラスしたいと思ったんです。着慣れているわけではないから、背伸びはせず、自分らしいさじ加減を考えました」

仕立て前の鮮やかな金糸の入った帯。「手放さずに取っていた祖母のお気に入り。その思いを受け継いで、使いこなせるようになりたいですね」
仕立て前の鮮やかな金糸の入った帯。「手放さずに取っていた祖母のお気に入り。その思いを受け継いで、使いこなせるようになりたいですね」

プライベートの着物姿を披露するのは今回が初めて。奇しくも、着物好きの祖母から生前の形見分けとして、着物や帯をいくつか譲り受けたばかり。薄手の絣。盛夏に着るのには少し適さないけれど、「このお話をいただいたタイミングで巡り合った着物。おばあちゃんに背中を押された気がして」と白羽の矢を立てた。立涌(たてわく)に水玉、波の文様など、涼しげな絣柄が全面に配されたクラシカルな着物。鮮やかなブルーの半衿と真紅の帯を合わせて、ビビッドな印象に仕上がった。

「祖母と私はともに午年なので、丸紋に馬が織り出された名古屋帯を締めました。これで、祖母からの縁や血の繋がりを表せるかな、と。着物は、こんなふうに設定したストーリーを形にしやすい点が魅力的ですね」

大河ドラマにも出演してたくさんの着物に袖を通したことで、着崩して遊ぶことより、着物自体が持つ文化的な背景や精神を大切にしたい思いが強くなったという。

「長い歴史に育まれてきた基礎は大切にしたいです。日本には華道や茶道がありますが、着物も着物道と捉えています。精神も大事というか、だらしなく着るくらいなら着ないほうがいいと思うほどです。ただ私、センスと感性はあるんです(笑)。なのでこれから技術と知識がついてきた先に、より着物を楽しめる自分に出合えるのかなと思っています」

共に譲り受けた着物。「普段から着物を着ていた祖母らしいデニム感覚でいいものと聞いたので、自分らしく着ていきたい」
共に譲り受けた着物。「普段から着物を着ていた祖母らしいデニム感覚でいいものと聞いたので、自分らしく着ていきたい」

今年36歳となったウイカさん。近年は様々な役柄で精力的に映画出演を重ねていて、話題作の劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜CAPITAL CRISIS』では、麻酔科医の役柄でシリーズ初登場する。未曾有の事態に陥っても、冷静さを失わず、知識と経験に基づき行動するキャラクターだ。

「今回は首都直下地震が起こった東京が舞台。医療従事者だけでなく、市井の人々が助け合い、皆がヒーローであるというテーマもあります。緊迫したシーンの中でどう動くのか、精神性を大切に演じました。観ていただく方にも感じるものがあればと思います」

着物好きの祖母からは、人間国宝の福田喜重(きじゅう)さんの手による美しい訪問着も譲り受けた。

「私に着こなせる技術と知識が身についたころ、またお披露目できたらうれしいです」

『クロワッサン』1171号より

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