実家の母の話です。
コロナが始まってから、ほぼ全く出かけず家にいる85歳の父と80歳の母。たまに電話すると、「朝ごはん作って3時間後にはもう昼ごはんよ。もう2年もお父さんが一日中家にいるから本当にストレスなのよ」と母はこぼします。
どうやら、80歳にもなると毎日3食を作ることは非常に疲れるようです。とはいえ、もともと少食の母は、父がいなければきっともっと食べなくなってしまいそうなのですが…。
「高齢女性の栄養失調は非常に増えているんですよ」と評論家の樋口恵子さん。
「なぜなら、昭和世代の女性には『家で食べる料理は手作りでなくてはいけない』という刷り込みがあり、疲れていてもスーパーのお惣菜などを食べることに罪悪感があって買えない。さらに夫を亡くした女性は、今まで家族のために料理をしてきたため、一人になると料理をする気が失せてしまい、結果、食べなくてもいいか、という日が増えてしまうんです」