からだ

リンパマッサージで滞りを解消して、免疫力を低下させない。

  • 文・山下孝子 イラストレーション・宇和島太郎

リンパは重力に逆らって流れるから、下半身のマッサージが大事です。

長時間立ちっぱなしだと足がむくみやすくなるのは、重力によって足のリンパの流れが滞ってしまうためです。さらに、加齢や肥満、さらに運動不足による筋肉の衰えも要因のひとつとなっています。

足のケアからつながる全身のケア。

「足には数多くのリンパ管やリンパ節(リンパに細菌やウイルスなどが含まれていないかチェックする関所)が存在しています。これらのリンパ系への優しい刺激は腹部深部のリンパ管にも働きかけ、皮膚や筋肉のコンディションも整えます。」

一般にリンパ管は脂肪組織のなかを走っていますが、脂肪のもみ出しのような強めの圧でもみほぐすのではなく、やさしい圧で皮膚の下に振動を伝えるように刺激を与えるのが適切なリンパマッサージになります。

「高齢になると体がむくみやすくなるのは、筋力の衰えだけでなく、加齢によって体重に占める脂肪組織の割合が増え、リンパの流れが滞りやすくなるためです。リンパマッサージは厚みを増した脂肪を緩める効果があります。なお、数日たっても残るむくみは、病気が潜んでいる可能性もあるため、気になるときは医師の診察をおすすめします」

【深部リンパ管の流れを最初に促しておこう。】(準備)

肩回し

鎖骨を動かすように、前に5回、後ろに5回ゆっくり肩を回す。これによりリンパのゴールである鎖骨リンパ節をゆるめる。

腹式呼吸

横隔膜を動かす腹式呼吸を3~5回することで、お腹の奥にある「乳び槽」という重要なリンパ管をゆるめる。

【 マッサージの圧の目安 】

圧が強すぎるとリンパ管がふさがってしまうため、食器洗い用スポンジのデコボコしている面がつぶれるぐらいの強さ。

まずはそけい部から。

美容目的で行う足のマッサージでは、つま先からスタートすることが多いのですが、足のリンパマッサージはそけい部リンパ節があるそけい部、つまり足の付け根からスタート。解剖学に基づいた、リンパの流れと特性に合った手順です。

[STEP1]そけい部の皮膚をずらす。

中指がそけい部に当たるよう両手を重ね、そのまま内側から外側に向かって皮膚を5回ずらす。

 

(A)リンパマッサージの 基本 (1)ずらす

手のひらや指を体にフィットさせ、リンパを流す方向に円を描くように皮膚を動かすことです。

[STEP2]太ももを3分割し、1〜3の順でずらす。

リンパ管がより多い太ももの内側を各3回ずらし、1カ所終わるごとにそけい部まで流す。

(A)「ゴール」に近い方からずらす

リンパは流れる方向が詰まっていると流れにくいため、足だけでなく顔や手も、ゴールの鎖骨に近い部位からマッサージします。

[STEP3]ずらした太ももをそけい部まで流す。

太ももの3をずらしたら、仕上げとして太ももの内側からそけい部まで流す。

(A)リンパマッサージの基本 (2)流す

ずらすことで流れがよくなったリンパを最寄りのリンパ節に誘導するように、フィットさせた手のひらや指をすべらせることです。

体を洗う 「ついで」がベター。

着衣よりも裸のほうが効果的なうえ、ボディソープなどのすべりで肌への負担が少なくなります。

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