からだ

リンパマッサージで滞りを解消して、免疫力を低下させない。

  • 文・山下孝子 イラストレーション・宇和島太郎

下半身にプラスすれば効果アップ、首・顔・頭のマッサージ。

顔や首にもリンパ節が複数存在するため、高い免疫力を保つためにも、足だけでなく首・顔・頭にもリンパマッサージを行いましょう。

カラダの部位によって、リンパのゴールは異なる。 

免疫力を高めるためのリンパマッサージは足だけ行っても十分ですが、首・顔・頭のケアもプラスしてあげるとより効果的。その理由は、この記事の最初に紹介した「おもなリンパ節の位置」のイラストを見てください。右上半身だけ色が違っていますが、これには次のような理由があります。

「リンパは鎖骨の下のくぼみで静脈に合流しますが、右足のリンパが右の鎖骨に向かって流れるのではありません。両足と左上半身のリンパは左の静脈角に、右上半身のリンパは右の静脈角に向かって流れています」

リンパがどこに向かって流れているかを知ることで、効果的に全身各部のリンパの流れを整えられるようになります。

「よく歩いた日に足のケアはお休みして首・顔・頭のリンパマッサージでリラックス。肩回しと腹式呼吸を合わせて行うとより効果的です。深部リンパ管の流れを促すことで全身のリンパのめぐりがよくなります」

【まずは首から。】

[STEP1]鎖骨のくぼみをずらす。

クロスした両手の指の腹で、鎖骨のくぼみをやさしく5回ずらす。

[STEP2]首を流す。

クロスした両手の手のひらで、耳たぶのあたりから鎖骨のくぼみまで3回流す。

[STEP3]耳周りをずらす。

人差し指と中指で耳を挟むように軽く当て、あごのラインに手のひらをあてて3回ずらす。

[STEP4]耳周りから鎖骨のくぼみに流す。

耳周りから、そのまま鎖骨のくぼみまで流す。

【次は顔へ。】

[STEP1]あごのラインを流す。

親指の腹をあごの下にあて、あごのラインに向けて3回流す。

[STEP2]ほおをずらす。

両手を頬にあてて、頬骨に沿って耳のほうに向かって3回流す。

[STEP3]鼻すじをずらす。

両手を鼻すじに沿ってあて、耳のほうに向かって3回流す。

[STEP4]額をずらす。

両手を額にあて、こめかみに向かって横に3回流す。

[STEP5]こめかみから鎖骨に流す。

こめかみにあてた両手を耳の前を通って、鎖骨のくぼみに向かって流す。

【最後に頭を。】

[STEP1]首の付け根→えり足の順でずらす。

首の後ろの付け根に両手の手のひらをあて、手のひらで3回ずらす。

髪の生え際を両手の手のひらで3回ずらしてから、鎖骨のくぼみまで流す。

[STEP2]3等分した頭部を1〜3の順にずらす。

両手の手のひらで、後頭部の1と2を生え際に向かって3回ずつ軽くずらす。

頭頂部の3に両手の手のひらをあて、生え際に向かって3回ずらす。

[STEP3]頭全体から鎖骨に流す。

頭頂部の3をずらしたら、そのまま頭全体を包むようにして鎖骨まで流す。

佐藤佳代子

佐藤佳代子 さん (さとう・かよこ)

ドイツのフェルディクリニック、フェルディ学校で学び、フェルディ式複合的理学療法のセラピストおよび教育者としての認定資格を取得。学校法人後藤学園附属施設であるリンパ浮腫治療室の室長や同リンパ浮腫研究所(現・リンパ浮腫教育支援センター)の所長を歴任。日本医療リンパドレナージ協会理事。日本における医療リンパドレナージの第一人者として、『リンパ浮腫治療のセルフケア』(文光堂)、『リンパマッサージ健康法』(PHP研究所)などの著書がある。※肩書は取材時のものです。

『Dr.クロワッサン 感染症に負けない、カラダをつくる。』(2020年11月30日発行)より。

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