おやつも食育であることを、イイノさんが学んだのは幼少期。
「子どものころ、母が牛乳と卵黄をシャカシャカと混ぜてミルクセーキを作ってくれたり、クリームチーズババロアとか、フレンチトーストとか、家業がレストランだったのでいろいろ作ってくれました。サンドイッチを作るときに切り落とすパンの耳を揚げて砂糖をまぶしたのも、大好きでした」
なかでも忘れられないおやつの記憶は、初めてのクレープ。
「母に連れられてフェアモントホテルだったようですが、コック帽をかぶったシェフが目の前でクレープを焼いてくれたんです。まさに夢心地でした」
子どもの心に帰る。おやつにはそんな魔法の力がある。