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角野栄子さんの読書の愉しみが広がる書店案内。

  • 影・徳永 彩 文・斎藤理子
「書店はその土地の文化を映す鑑。 子どもに残すのは大人の務めよ」

講演会などで、日本全国はもとより世界各国を訪れる機会が多い角野さん。旅に出る前には必ず書店に立ち寄り、旅先でも必ず書店を訪ねる。「ロンドンの書店街には、自伝、占い、地図などと、細分化されたジャンルの専門書店が並ぶ路地があるんです。そういう書店が成り立っている本文化の深さに感動します」

その土地の文化が書店から伝わってくるのだという。そんな角野さんは、小さな書店がなくなりつつある日本の現状を、とても心配している。

「私にとって、本はご飯や空気と一緒。毎日何時間かは必ず向き合うものです。もの寂しい時にも本屋さんに行くのがいちばんの気分転換。本屋さんのない人生は考えられません。昔はどこの駅前にも必ず町の本屋さんがあって、そこは子どもにとって文化や世界との入り口だったと思うの。こんな本が欲しいって言えば応えられる店主がいて。本当に少なくなってしまったけれど、そういう本屋さんをしっかりと子どもたちに残してあげることが、大人の務めじゃないかと思います」

『クロワッサン』955号より

●角野栄子さん 児童文学作家/1970年『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』でデビュー。1985年『魔女の宅急便』がベストセラーに。著書多数。近著に自宅の本棚など暮らしを追った『角野栄子の毎日 いろいろ』(KADOKAWA)が。

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