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毎日通いたくなる、
神戸おすすめのベーカリー3店。

共同ペンネームで作品を執筆する人気脚本家の、和泉努(いずみつとむ)さんと妻鹿年季子(めがときこ)さんの夫妻。お気に入りのパンで朝を迎えるという二人はベーカリーが充実している神戸に暮らしています。そんな二人のお気に入りパン屋さんを教えてもらいました。

 

ベーカリーが充実している神戸。

「ずっと閉まっている不思議なパン屋さんがあって、なぜかというと予約分を午前中に渡し切ってしまうかららしい。幻のパンです」(トキちゃん)

おいしいのかもしれないけれど、そこまでしないと手に入らないのは、日々のパンには荷が重い。

「パンって、日常を滞りなく過ごして、明日につながっていく未来のイメージがあるんです。希望のある幸せな感じ。おかあさんが『明日のパンを買うのを忘れたわ』と子どもに買ってくるのを頼むような」(トキちゃん)
 
だから、いいパン屋さんとは、「住まいの近所にあって、しょっちゅう買いに行けて、毎日食べても飽きないパンがある」ところ。そういうトキちゃんとトムちゃんの信頼している神戸のおすすめの店を、あと少し教えてもらいましょう。

小さな2坪の店の佇まいも和む、
神戸生まれ、「あん食」のトミーズ。

二人の朝食で、バタートーストして味わっている「あん食」が名物のトミーズは神戸に4店舗。

トキちゃんとトムちゃんが通うのは、三宮の高架下にある小さな販売所です。通勤時、買い物の合間、帰宅の前に立ち寄るなど、一日中客足が途絶えない。いちばん人気の「あん食」は、この店だけで日に100本以上、全店で1000本は売れるといいます。

「あんこが生地と分離せずにきれいに練りこまれているのが、実はすごい技らしいですよ」(トキちゃん)

「しっかり揚げた昔ながらのドーナツも、僕らの好み」(トムちゃん)

大きな書き文字の値札が並ぶショーケースは、親しみやすさ満点のあったかいムードです。

●トミーズ 三宮店 阪急三宮駅西口から徒歩1分。兵庫県神戸市中央区北長狭通1・31 高架下35 8時~20時(日曜~19時)、無休神戸市内に他3店舗。通販も可。

「あん食」をさらにデザートみたいにアレンジしたトーストも。

「あん食」をさらにデザートみたいにアレンジしたトーストも。

高架下の通路に面したショーケースにずらりと並んだおかずパンにもそそられる。

高架下の通路に面したショーケースにずらりと並んだおかずパンにもそそられる。

北海道産の小豆を使った粒あんを練りこんだ、生クリーム入りの生地の食パン「あん食」は1・5斤650円

北海道産の小豆を使った粒あんを練りこんだ、生クリーム入りの生地の食パン「あん食」は1・5斤650円


ボリューム満点、差し入れにも重宝。
NY仕込みのサンドイッチ専門店。

外食はしないという木皿家。料理が上手そうと言われるとトキちゃんは、
「違う、おいしいものを売っている店を知っているだけや、と。その分、お持ち帰りの店には詳しくなりますね」

なるほど、パンもテイクアウトの1ジャンルとも言えます。

「若い子への差し入れなどにも喜ばれる」のが『サンドイッチの店 3』です。アメリカのNYに25年ほど暮らしたアパレル出身の店主が、現地で気に入っていた味を日本でも、と始めた専門店。

野菜スープで挽肉を炊いた「スロッピージョー」、自家製ハムにオニオンやオリーブやパルメザンソースを付けた「ハム」、NY州北部のソウルフードを元にした「バッファローチキン」など、歯切れのいいチャパタのサンドは各600円なかなかのボリューム。

「エルビス・プレスリーの母親が息子のために作ったという「エルビス」もおすすめ。にちゃっと、甘〜くて強烈なおいしさ」(トキちゃん)

●サンドイッチの店 3  サンドイッチ向きに開発したオリジナルのチャパタも評判で、3個600円で販売。兵庫県神戸市中央区山本通2・5・18 コーポラス山本通1F 9時~17時、無休

「スモークチキン」「鴨のパストラミとクリームチーズ」など人気4品が各¼入り「ベーシックセット」700円。コーヒー300円。

「スモークチキン」「鴨のパストラミとクリームチーズ」など人気4品が各¼入り「ベーシックセット」700円。コーヒー300円。


ピーナッツバターとバナナのホットサンド「エルビス」400円。

ピーナッツバターとバナナのホットサンド「エルビス」400円。

ガレージを店主自ら改装してショップに。ブルーと白の外観が目印。

ガレージを店主自ら改装してショップに。ブルーと白の外観が目印。


 

思いがけない素材のハーモニーの妙。
サ・マーシュにしかない独創的旨さ。

圧巻の陳列台に客は近づけない。手前の木製のバーのこちら側から、スタッフに好みのパンを取り分けてもらうスタイルに、深い訳あり。

圧巻の陳列台に客は近づけない。手前の木製のバーのこちら側から、スタッフに好みのパンを取り分けてもらうスタイルに、深い訳あり。

『オーボンヴュータン』や『ビゴの店』などの名店で本格派を学んできた西川功晃シェフが、これまでの経験を生かし、日本の食卓にとけこむような本物以上の日本人向きのパンを提案したいと開店したのが、『サ・マーシュ』。

「小豆とみかんのジャムとか、チョコとあんことか、変わった組み合わせはあっても、ただのあんパンやクリームパンはない。普通のパンを置いていないパン屋さん。草原に咲いているように並んだパンには自分では触れないけれど、ガイド役がついて、丁寧に説明してもらえますよ」(トキちゃん)

スタッフがマンツーマンで接客、パンの特徴を説明して取り分けるこの販売方法は、説得力ある中身を作っているというシェフの自負の表れ。

見映えのためだけに表面的な飾りつけはしたくないけれど、地味なルックスのせいで売れないことがないようにとの思いから。

板状のチョコにたどり着いた時のパリッとした食感も旨い「平焼きショコラあんパン」、ふんわりソフトなコーヒー生地に栗とさつま芋を巻き込んだ「カフェロートンヌ」、日本人の好きなもちもちの中身とザックリした風合いの皮をあわせもつ米粉配合の「バゲット ジェイ」など、どれもハッと覚醒するような味わいです。

●サ・マーシュ 北野のパールストリートから店の扉までのエントランスは、週末には行列でうまってしまうことも。自家製ジャムなども人気。兵庫県神戸市中央区山本通3・1・3

バゲットや食パンなども種類豊富。天然酵母は25年ほどタネを継ぎ足して使っているという。

バゲットや食パンなども種類豊富。天然酵母は25年ほどタネを継ぎ足して使っているという。


左・栗やさつま芋入り「カフェロートンヌ」½本450円。右・「平焼きショコラあんパン」200円。奥・「バゲット ジェイ」260円。

左・栗やさつま芋入り「カフェロートンヌ」½本450円。右・「平焼きショコラあんパン」200円。奥・「バゲット ジェイ」260円。

シェフの西川功晃さん、マダムの文さん夫妻。6年前の9月にオープン。

シェフの西川功晃さん、マダムの文さん夫妻。6年前の9月にオープン。


 

◎木皿 泉さん脚本家、作家/共同ペンネームで作品を執筆する、和泉努(いずみ・つとむ)さんと妻鹿年季子(めが・ときこ)さん夫妻。脚本に、向田邦子賞を受賞した『すいか』をはじめ、『セクシーボイスアンドロボ『』Q10』など。初の小説『昨日のカレー、明日のパン』は文庫版が発売に。

『クロワッサン』919号(2016年2月10日号)より

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