くらし

【林家たい平さん×ふなっしー 対談】人気キャラクターの秘密

  • 撮影・青木和義 スタイリング・高島聖子 文・大澤千穂

ご当地キャラと一緒に育つ、 日本人とキャラクターの深い絆。

たい平 実は僕も故郷の秩父の横瀬町からの要請でご当地キャラクターを作ったんですよ。「ブコーさん」っていうんだけど……(絵を見せる)。

林家たい平さんデザインの ご当地キャラ「ブコーさん」。美大卒のたい平さんが故郷、埼玉県秩父郡横瀬町のために作ったキャラクター。頭が地元の山・武甲山で、体は祭り太鼓と、町を象徴するモチーフで構成。グッズやラッピングバスも登場し、キャラクターコンテストでも入選。地域のアイドルとして親しまれている。

ふなっしー おっ、かわいい! 師匠、美大卒なんですかなっし?

たい平 まあ一応ね。このブコーさんは頭が武甲山で、体が太鼓なんです。横瀬町には武甲山というセメントが取れる山があって、お祭りが盛んなのでどの町会にも太鼓がある。だからこれを見れば地元の人は一目で自分の町のキャラクターだとわかるはず。

ふなっしー 確かにわかりやすいなっしな!

たい平 ふるさとを代弁するキャラクターは、わかりやすいことが大事。このキャラクターの存在で、ふるさと愛が育てばいいなと思って。

「分野は違えど人を喜ばせたい思いは同じ。 「キャラクター魂」で繋がる二人だね。」

ふなっしー おっしゃるとおり、キャラクターと地域の絆は強いなっしなー。全国のイベントに行くと、ふなっしーよりも地元のキャラを愛する子どもの多いことに気づくなっし。キャラクターが地域に根ざして活動すれば、地元の子はそのキャラクターを一番好きになると思うなっし。ブコーさんも将来そうなるなっしなー。

たい平 そうだといいなぁ。それにしても日本人って子どもの時からキャラクターが好きだよね。

ふなっしー 本当に。各地にキャラクターがいて、それを囲んでお祭りをやるって、これはもう日本独特の文化なっしよ。最近「平成ニッポンのヒーロー総選挙」というテレビのランキングがあったんだけど、ふなっしーが6位に入ってびっくりしたなっし。

たい平 本当!? すごいね、それは。

ふなっしー 7位が孫正義さんで10位が安倍首相。「大丈夫か、日本!?」って思っちゃったなっしな(笑)。でも歴史を遡れば、日本には妖怪や鳥獣戯画もあるでしょ。日本人は人間じゃないものをキャラクター化するのが好きな国民性なっしな。その流れで生まれたのが、今のご当地キャラクターだと理解してるなっし。

たい平 そう考えると歴史が深いね。

ふなっしー それにキャラクターは日本人にとって心の拠り所。そういえばふなっしーのツイッターにはすごい数の人生相談が来るなっしなー。

たい平 ええっ、そうなの!?

ふなっしー 借金とか一家離散とか、ヘビーな内容も多いなっしな。「相談する相手を間違ってるだろ!」って言いたくなるけど、キャラクターに対してだから打ち明けられることもあるのかなと思って受け止めてますなっし。
たい平 それだけ皆がふなっしーに力をもらっているってこと。閉塞感のある時代になればなるほど、キャラクターが求められていくんだろうね。

ふなっしー 熊本地震の後、くまモンを見て喜ぶ子どもたちの姿には、じーんときちゃったなっしなー。

たい平 あの喜びようを見ると、日本人がなぜキャラクターが好きで何を求めているかということがよくわかる。そういう非常時って楽しむことや笑うことを自粛しがちだけど、僕は笑いは食事の次に大切だと思う。間違いなく、笑いは生きるエネルギーですよ。

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