まずは、上にある写真を見てほしい。引っ越した直後の家? そうではない。7年間、夫婦2人が実際に暮らしていた空間なのだ。
「本当に、ほとんど何もない部屋でした。ソファも、ダイニングテーブルも椅子もなかった。食事は、キッチンカウンターのところで、立って食べることが多かったんです」
そう話すのは、愛知県岡崎市に暮らすライフオーガナイザーの香村薫さん。現在、夫と3人の子どもと一緒に、当時と同じマンションに暮らしているが、その様子は全く違う(下の写真)。ものは少ないながら、家具が置かれ、植物や絵本などが飾られた部屋は、温かみのある、居心地のいい空間だ。以前の“ものが何もない部屋”は、なぜ生まれたのか。そして、今の程よくすっきりした空間に至るまでに、どんな経緯があったのだろうか。