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不要な服を捨てたら、ぐっとおしゃれに。
クローゼットの断捨離4ステップ。

クロワッサン最新号『捨てたい!』(2016年6月25日号)より、注目記事を厳選してお送りします。http://magazineworld.jp/croissant/


「服を減らしたいけれど、どう手をつけていいかわからない」という人も多いはず。プロの指南で必要充分な取捨選択をめざしましょう。

物がぎっしり詰まっているために、通り抜けが困難な状態のSさん側。
物がぎっしり詰まっているために、通り抜けが困難な状態のSさんのクローゼット。

クローゼットに詰め込まれた服やバッグ。ほとんど活用されていないにもかかわらず、「いつか着るかも」「傷んでないから」と捨てられない人は少なくない。

今回、私服整理に名乗りをあげたSさんもそんな一人。

「なるべく減らそうとはしているのですが、捨ててもいつの間にか増えているんです。物が詰まっていてクローゼットが使いにくくて」とお悩み中。しかもSさん、引っ越しの予定があり収納スペースが減るため、服を処分することは火急の課題なのだ。

寝室にあるコの字形のウォークインクローゼットは、向かって右側をSさん、左側を夫用にしているが、左奥の洋服ダンスの中身もSさんのものだけ。さらには、他の部屋にもSさんの趣味に使う服やお稽古バッグが分散して収納されている。クローゼットを見たスタイリストの河井真奈さんも、「こんなにいっぱいあっても、体は一つですよ」と驚く。

「正直、自分でも全部を把握しきれていません。ただ、洋服の組み合わせが得意ではないので、数が減ると着こなしがワンパターンになってしまわないかと心配」というSさん。

「クローゼットに余裕を持って服を入れると、組み合わせもしやすくなります。姿見を据えて、コーディネートがすぐに確認できるようにするといいですね。統一感のあるワードローブに絞れば、もっとおしゃれを楽しめますよ!」と、河井さんの励ましを受けながら、仕分けがスタート。まずは、クローゼットの中身をすべて取り出してみたところ、あまりに膨大な数のため、春夏物に絞って選別することになった。

 

1.自分には似合う色のトーンやテイストこそ必要。
それ以外は、好みでも除外する。

統一感のあるワードローブに絞るためには、色やテイストを揃えるのが近道。

もっとも、似合う色と好きな色は違ったりするので、プロにカラー診断を仰ぐのも一つの手だ。

「好きな色はピンクやパープル。最近は紺、ブルー系も着るように。刺繡やレースの甘い感じが大好き」(Sさん)。

一方、河井さんの見立てでは、「Sさんは、春夏秋冬に分けると冬のカラータイプ。黒、白、青のある色や、フューシャピンクなど鮮やかな色もいいですね。はっきりとした顔立ちなので、甘めよりシャープなテイストがお似合い」

肌になじむ色は無難と思いがちだが、河井さんによれば「なじむ色はくすみやすくて危険」。

それよりも、「映える色、似合うテイスト」を優先した結果、Sさんの顔色をくすませるベージュ系、不向きな甘い雰囲気の服が除外リストに仕分けされた。

多すぎるトップスは、Sさんに似合う色と今年らしいシルエットに絞った。
多すぎるトップスは、Sさんに似合う色と今年らしいシルエットに絞った。
スリム系パンツを処分し、トレンドのガウチョタイプなど3分の1まで減らした。
スリム系パンツを処分し、トレンドのガウチョタイプなど3分の1まで減らした。
 

2.現在のライフスタイルに合っているものだけに絞る。

「このところ、スカートやワンピースは着ないんです」(Sさん)

かつてはスカート派だったというSさんだが、最近はパンツスタイルが多く、仕事のときもカジュアルな格好でOKなため、エレガントなアイテムの出番はなし。

15枚もある黒い膝丈スカートに目を留めた河井さんから「お子さんはいくつですか?」と、質問が飛ぶ。

長男は独立して、次男は大学4年との答えに、「じゃあ、母親らしさの象徴である服はもういらないですね」と、処分決定。

よく観劇していた頃につい買ってしまったという華やかなワンピースは、「1回しか着ていないものもあります。ノースリーブはもう厳しいですね。ビーズ装飾のあるものはパーティなどで着られそうと思うと、なかなか捨てられなくて……」と逡巡していたSさんだが、クローゼットに長年しまい込まれたままだったことから、手放すことを決心した。

3.着心地やコンディションの良くないものは手放す。

クローゼットにしまい込んだままでは、シミが出ていたり、毛羽立っていたり、状態の悪化に気づかないことがある。Sさん宅でも、そんなコンディションに難ありのものたちは迷うことなく処分袋へ直行。デザインは気に入っていても着心地が悪くて袖を通していなかったものや、着こなせなかった服、体形がきれいに見えないボトムも手放すことに。

「娘がいたら着せたかった服を自分に買っていた気がします。好きだけれど、コーディネートの仕方がわからずに着なかった服も多いですね」と言うSさんに、「これから買い物をするときは、単品で判断して飛びつくのではなく、手持ちの服との組み合わせを思い描いてから購入するといいですね」と、河井さんからは納得のアドバイス。

手持ちの服との組み合わせを考えずに購入して、一度も着ることのなかったスカート。
手持ちの服との組み合わせを考えずに購入して、一度も着ることのなかったスカート。
素敵と思ったが着こなせなかったアイテム。花の刺繡やフリルの袖など、装飾があだに。
素敵と思ったが着こなせなかったアイテム。花の刺繡やフリルの袖など、装飾があだに。
白っぽい服は経年変化でシミが出やすい。擦れや毛羽立ちなどが目につくものも処分袋へ。
白っぽい服は経年変化でシミが出やすい。擦れや毛羽立ちなどが目につくものも処分袋へ。
 

4.トレンドや時代のバランスと合っていないものは必要ない。

「チュニックは体形も隠せて楽なので、20年ぐらいレギンスと合わせるワンパターンのコーディネートをしていたかもしれません」(Sさん)

「もう、チュニックの時代は終わっているんです。おしゃれをするには、いまの気分に更新していくことが大事です。体形を隠すにも、トレンドを取り入れながらのほうが効果的。Sさんにはとくに、シャープなシルエットやメリハリのある着こなしがおすすめです」(河井さん)

そこで、チュニックはこれを機に大部分を手放すことに。ボトムも、チュニックに合わせていた細身系パンツを捨て、新しいシルエットのものだけを残す。ガウチョやワイドパンツはいまどきのゆるさがあり、気になる太ももをカバーしつつ、トレンドの着こなしに活躍してくれそう。

さらに、置き場所に困るほど集めていたバッグも仕分け。洋服の選別で鍛えられたのか、Sさんの判断も早く、使っていないものや似たデザイン、重すぎるバッグの処分が決定!

手前がSさん。おびただしい数のバッグは「2年以上1回も使ってないものも」。
手前がSさん。おびただしい数のバッグは「2年以上1回も使ってないものも」。
体形をカバーするために取り入れていたチュニックは、時代感と合わないので捨ててしまう。
体形をカバーするために取り入れていたチュニックは、時代感と合わないので捨ててしまう。
ただスペースを占領するだけになっていた春夏の服だけでなく、置き場に困っていたバッグも手放した。これでかなりクローゼットの中がすっきりとするはず。
ただスペースを占領するだけになっていた春夏の服だけでなく、置き場に困っていたバッグも手放した。これでかなりクローゼットの中がすっきりとするはず。
 

服の数を絞ったら、コーディネートがしやすくなりました!

「うわー、すっきりしてうれしい」と、仕分けを終え、笑顔を浮かべたSさん。残した春夏物は、大人っぽいカットソーが5枚、ブラウス2枚、シャツ1枚、柄トップス2枚、ニット類6枚、ボトムが10点ほど。

「この中から河井さんがさっと1週間分を合わせたのを見て、服の数が減っても、これまでよりおしゃれできるとよくわかりました」(Sさん)

これまでは服が多すぎて組み合わせに悩み、結局は無難という名のマンネリに。さらに、「アレンジできないから、また服を買う」というジレンマに陥っていたと気がついた。

「今シーズンは、もう服を買わなくても充分に着回しが楽しめるはずです」と、河井さんも太鼓判を押す。

「近いうちに靴と冬物も見直すつもりです」と、Sさんもすっかり前向きになり、仕分けは大成功!

選別した服を実際に組み合わせてみるSさん。手早い! 「どれもセンス良く着られそうです」
選別した服を実際に組み合わせてみるSさん。手早い! 「どれもセンス良く着られそうです」
選び終えた服を河井さんがコーディネート。「少し遊びのあるいまどきのトップスは、どのボトムでもOK
選び終えた服を河井さんがコーディネート。「少し遊びのあるいまどきのトップスは、どのボトムでもOK
バッグはクローゼットの棚上にまとめられ、選ぶのも取り出すのも簡単。フル活用しやすく。
バッグはクローゼットの棚上にまとめられ、選ぶのも取り出すのも簡単。フル活用しやすく。
 

『クロワッサン』927号(2016年6月25日号)より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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