くらし

「捨てれば幸せ」とは限らない、程よくモノのある暮らし。

  • 撮影・青木和義 文・嶌 陽子

大事なのは「捨てる」ことでなく自分の価値観を明確にすること。

[捨てるか残すかを迷ったら、いったん棚に飾ってみる]ダイニングの壁にある棚。左端のティーカップは、捨てるかどうか迷ったもの。「一度はここに飾ってみて、好きと思えたら取っておきます」
[出番の少ないスーツケース、普段は移動式本棚に]キャスター付きの小型スーツケース。出張や旅行で使わない時は、本を入れて、寝室やリビングを行き来させる、移動式本棚にしている。
[子どものおもちゃは、ここ3年間ほど、これ1種類のみ]8歳の長男と5歳の次男が一番好きで、毎日遊んでいるという「アソブロック」。ほかのおもちゃは押し入れの天袋にしまい、時々出している。
[テレビを観る時間は一人ひとつずつの“マイ時計”で管理]長男と次男の専用時計。「時間の感覚が身につくし、テレビを観る時も、時間を決めてタイマーをかけ、これを持ってテレビ部屋へ行きます」
[捨てるか残すかを迷ったら、いったん棚に飾ってみる]ダイニングの壁にある棚。左端のティーカップは、捨てるかどうか迷ったもの。「一度はここに飾ってみて、好きと思えたら取っておきます」
[出番の少ないスーツケース、普段は移動式本棚に]キャスター付きの小型スーツケース。出張や旅行で使わない時は、本を入れて、寝室やリビングを行き来させる、移動式本棚にしている。
[子どものおもちゃは、ここ3年間ほど、これ1種類のみ]8歳の長男と5歳の次男が一番好きで、毎日遊んでいるという「アソブロック」。ほかのおもちゃは押し入れの天袋にしまい、時々出している。
[テレビを観る時間は一人ひとつずつの“マイ時計”で管理]長男と次男の専用時計。「時間の感覚が身につくし、テレビを観る時も、時間を決めてタイマーをかけ、これを持ってテレビ部屋へ行きます」

多忙過ぎることも体調不良の原因だった香村さんは、この出来事をきっかけに、勤めていた会社を退職。出産を経て、育児と家事に追われる生活になる。そこで、生来の探究心もあり、心地よさと片づけやすさを両立させる方法を徹底的に考え抜くようになった。4年前に、ライフオーガナイザー(片づけの専門家)の資格を取得し、独立開業。現在は、片づけに関する個別サポートやセミナーなどを行う毎日だ。

そんな香村さんの片づけ法には、勤めていた会社で日々行っていた“トヨタ式”の理論が取り入れられている。中心となるのが、“なぜなぜ分析”。トヨタグループで取り入れられている、問題の再発防止策のひとつだ。
「問題が起きたら、『なぜ、それが起きたか』を考え抜く。それが会社員時代の習慣でした。『問題が起きるのは、人のせいではなく、仕組みのせい』と、上司にいつも言われていたんです。片づけも同じで、仕組みさえ整えれば、自然と片づくようになります」

香村さん自身、“何もない部屋時代”は、この“なぜなぜ”を忘れていたのだと振り返る。
「捨てることばかりに夢中になって、それ自体が目的になっていた。“何のために捨てるのか”を考えていなかったんですよね。今では皆さんに『捨てることから始めるのではなく、まず頭の中を整理しましょう』とアドバイスしています。“部屋をすっきりさせたい”だけだと、片づけもうまくいきません。片づいた部屋で何をしたいのか。まずは自分の目的や価値観、理想の暮らしを明確にすることが大事です」

もうひとつ、“リケジョ”の香村さんならではの考え方は、「必要か不要か」を感情ではなく、数字で決めること。
「服なら1週間で何着必要か。器なら何人以上の来客があった場合、紙皿で対応するか。自分の価値観にそって、基準を数値化するんです。その数字を頭に入れておけば、ものを買う時の判断基準にもなりますよ」

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