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肩こりや腰痛がある、下半身がだるい、関節が痛む──薬膳の知恵で夏の「冷え」や「むくみ」を整える

暑さによる冷えやむくみは、東洋医学の考え方で改善できます。薬膳、発酵料理研究家・山田奈美さんに、食材の効能を活かす薬膳レシピを聞きました。

撮影・高杉 純 スタイリング・久保田朋子 文・松本あかね

夏の高温多湿が及ぼす体へのダメージは大きい。「体の内側に熱がこもり、余分な水分が溜まってさまざまな不調が起こりやすくなります」と薬膳・発酵料理家の山田奈美さん。東洋医学では心身は「気・血・水」の3要素で構成するとされる。「気」は生命活動のもととなるエネルギー、「血」は栄養を運ぶもの、「水」は体液を指す。暑さや、逆に体を冷やしすぎるとこれらのバランスが乱れ、夏バテにつながる。「薬膳では『すべての食材に薬効がある』と考えられています。抱えている症状に応じて、気を補う食材、熱を取る食材、水はけをよくする食材を取り入れ、夏の体の不調を整えていきましょう」

冷え

肩こりや腰痛がある、下半身がだるい、関節が痛む──薬膳の知恵で夏の「冷え」や「むくみ」を整える

□肩こりや腰痛がある
□トイレが近い
□足がよくつる

冷たいものをよく摂る、冷房を効かせすぎる、入浴はシャワーで済ませるなど、夏の生活習慣は体の冷えを呼ぶ。冷えは血行を悪くする以外に、水の滞りを生み、肩こりや腰痛、足がつる原因にも。体を温め血行を改善するえびや鮭のほか、みょうが、しそ、しょうが、にらなどの香味野菜やししとうを取り入れて。特にしそやしょうがは発汗作用があるので活用を。

豚肉とししとうの味噌炒め

肩こりや腰痛がある、下半身がだるい、関節が痛む──薬膳の知恵で夏の「冷え」や「むくみ」を整える

写真左上:ししとうはお腹を温め、血行をよくする夏冷えの強い味方。「気・血」を補う豚肉、胃を温める効果のある発酵食品の味噌と組み合わせ、冷えを撃退する炒め物に。

【材料(2人分)】
豚バラ薄切り肉…150g
ししとう…1パック(16本)
にんにく…1かけ
米油…大さじ1
A[味噌、みりん…各小さじ2、醤油、コチュジャン…各小さじ1、塩…少々

【作り方】
1. 豚肉は食べやすく切る。ししとうはヘタを取り除く。にんにくはみじん切りにする。
2. フライパンを中火にかけ、米油を入れて豚肉とししとう、にんにくを加える。
3. 肉に火が通ったらAを加えて炒め合わせる。

えびとしその水餃子

写真右下:魚介のなかで最も体を温めるえび。東洋医学で「腎」と呼ばれる臓器を元気にし、足腰の冷えを改善。同じく温め食材で、魚介の毒消しにもなるしそを効かせて。

【材料(10個分)】
えび…10本(むき海老120gでも)
豚ひき肉…30g
しそ…10枚
しょうが…1かけ
餃子の皮…10枚
A[酒…大さじ1、塩…ひとつまみ、醤油、こしょう…各少々
ラー油、酢醤油、柚子胡椒など…各適宜

【作り方】
1. えびは殻をむいて背わたを取り、粘りが出るまで包丁で叩く。しそはせん切り、しょうがはみじん切りにする。
2. ①と豚ひき肉をボウルに入れ、Aを加えてよく混ぜ合わせる。餃子の皮に1/10ずつのせて包み、沸騰した湯に入れて4〜5分ゆでる。好みでラー油をたらした酢醤油や柚子胡椒などをつけていただく。

むくみ

肩こりや腰痛がある、下半身がだるい、関節が痛む──薬膳の知恵で夏の「冷え」や「むくみ」を整える

□下半身がだるい
□汗をかきにくい
□関節が痛む

湿度の高い夏は体の中にも余分な水が溜まりやすく、さまざまな症状を起こす。下半身のむくみのほか、頭や関節、胃腸など全身に水が溜まり、頭痛や関節痛、食欲不振、胃もたれなどの原因に。適度な運動や入浴でしっかり汗を出すとともに、余分な水分を排出する食材を摂取して。サバ、もやし、とうもろこし、枝豆のほか、キャベツや海藻、貝類もよい。

枝豆とあおさの蒸し鶏

肩こりや腰痛がある、下半身がだるい、関節が痛む──薬膳の知恵で夏の「冷え」や「むくみ」を整える

写真左上:むくみの解消には尿を排出する腎臓の働きを高めることも大切。「気」を補う蒸し鶏に、腎を補い利尿作用のある枝豆とあおさをトッピング。あおさは海苔で代用しても。

【材料(2人分)】
鶏むね肉…1枚(約200g)
塩…ひとつまみ
酒…大さじ1
枝豆…10さや程度
あおさ…大さじ1(約1g)
長ねぎの青い部分…(あれば)10cm程度
たれ[醤油、黒酢、煮切りみりん、ごま油…各大さじ1、塩…少々
炒りごま…適宜

【作り方】
1. 鶏肉は塩と酒をふって15分ほどおく。枝豆は塩ゆでしてさやから出す。あおさはちぎっておく。
2. 鍋に水1カップと長ねぎの青い部分、鶏肉を加えて中火にかける。沸いたら裏返し、弱火にして5〜6分ほど蒸し煮にする。火を止めてそのまま20分ほど余熱で火を通す。
3. 鶏肉の粗熱が取れたら手でほぐし、枝豆、あおさとともに器に盛り、混ぜ合わせたたれを回しかける。好みで炒りごまをふる。

豚肉ととうもろこしのもやし炒め

写真右下:水出し効果に優れたとうもろこしともやしを使用した一品。とうもろこしのひげは利尿作用が高く、漢方薬になるほど。捨てずに活用を。

【材料(2人分)】
豚ひき肉…120g
とうもろこし…1/2本
もやし…1袋
にんにく…1かけ
ごま油…大さじ1
塩…ひとつまみ
醤油…大さじ1
塩、こしょう…各少々

【作り方】
1. とうもろこしは実をそぎ、ひげはみじん切りにする。もやしはひげ根を取り、冷水にさらしてシャキッとしたら水気をしっかり切っておく。にんにくはみじん切りにする。
2. フライパンを中火にかけ、ごま油を入れてひき肉、とうもろこし、にんにくを加え、塩をふって炒める。
3. 肉の色が変わったら、とうもろこしのひげともやしを加えて強火でさっと炒める。醤油を鍋肌から回し入れ、香ばしい香りがしたら塩、こしょうで味を調え、ごま油少々(分量外)を回し入れて火を止める。

  • 山田奈美

    山田奈美 さん (やまだ・なみ)

    薬膳・発酵料理家

    東洋医学、薬膳理論、食養生を学ぶ。神奈川・葉山の自宅「古家1681」にて和食薬膳教室や発酵教室などを開催。『12か月の薬膳食材帖』(主婦と生活社)など著書多数。

『クロワッサン』1170号より

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