暮らしに役立つ、知恵がある。

 

広告

エルミーン&Fujii Kaze「Comets + Gold」──彗星のような出会いが、消えない金色の光になって

高橋芳朗の暮らしのプレイリスト。今回は、イギリス出身の歌い手エルミーンがFujii Kazeを迎えて収録された一曲「Comets + Gold」です。国境を越えたコラボレーションの発端はFujii KazeがYouTubeに投稿したエルミーン「Someday」のカバー動画から。そこから交流が生まれ、昨年末にはエルミーンが来日。Fujii Kazeの繊細な音づくりに触れながら、数日でこの曲を書き上げました。

文・高橋芳朗

「Comets + Gold」を収録したアルバム『sounds for someone』 のジャケット。エルミーンが振る白い旗は、漫画『ONE PIECE』 のワンシーンへのオマージュであるとともに、喪失の受容、平和を意味している
「Comets + Gold」を収録したアルバム『sounds for someone』 のジャケット。エルミーンが振る白い旗は、漫画『ONE PIECE』 のワンシーンへのオマージュであるとともに、喪失の受容、平和を意味している

イギリス出身のエルミーンは、古き良きソウルの感触を現代に甦らせる世界的に注目の歌い手です。スーダンにルーツを持つ彼が、家族をめぐる物語を綴ったデビューアルバム『sounds for someone』。その国内盤には、Fujii Kazeを迎えた「Comets+ Gold」がボーナストラックとして収録されました。国境を越えたコラボレーションが、大きな反響を呼んでいます。

そもそもの発端は、Fujii KazeがYouTubeに投稿したエルミーン「Someday」のカバー動画にあります。そこから交流が生まれ、昨年末にはエルミーンが来日。Fujii Kazeの繊細な音づくりに触れながら、数日でこの曲を書き上げました。互いの音楽に強く惹かれ合った、ふたりの共鳴の記録です。

楽曲は、静かなピアノに導かれるバラードです。歌は5つの別れを数える男の独白から始まり、暗闇を無重力で漂うイメージのなか、過ぎ去った恋の記憶をひとつずつなぞっていきます。エルミーンとFujii Kaze、たおやかなふたつの声がそっと重なり合うリフレインは、聴く人の胸の奥まで沁み入ります。

「Comets + Gold」が見つめているのは、深い孤独です。あとから加わった曲ながら、「誰かのための音楽」というアルバムの願いをそのまま宿しています。彗星のように一瞬で過ぎていく出会いも、金色の光となって残り続ける。どこかの誰かの夜に、小さな灯りをともす一曲です。

  • 高橋芳朗 さん (たかはし・よしあき)

    音楽ジャーナリスト

    TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』『金曜ボイスログ』などに出演中。共に番組選曲も担当。

『クロワッサン』1173号より

広告

  1. HOME
  2. くらし
  3. エルミーン&Fujii Kaze「Comets + Gold」──彗星のような出会いが、消えない金色の光になって

人気ランキング

  • 最 新
  • 週 間
  • 月 間

注目の記事

編集部のイチオシ!

オススメの連載