くらし

上手な保存法やリベイクなど、パンの味を簡単に美味しく蘇らせる7つのワザ。

パンは意外にも劣化が早い。
品質をできるだけキープする知恵、さらに少々風味が落ちたパンも美味しく食べきるコツとは。
  • 撮影・黒川ひろみ 文・板倉みきこ

美味しく、無駄なくパンを食べきるためには、風味を維持する保存法や、正しいリベイク法を知っておきたい。

「2、3日で食べきれるなら常温が基本ですが、それ以上保存したい場合は、乾燥と酸化を防ぎ、パンの醍醐味の香りも維持できる、冷凍保存が最適です」(料理研究家・島本美由紀さん)

ここでは、島本さんがリサーチを重ねて辿り着いた、冷凍保存の極意、種類別のリベイク法など、簡単に美味しく味を蘇らせる7つのワザを紹介する。

POINT1.密閉性が高いから安心な、市販の袋でそのまま保存。

買い求めやすい市販の食パンなどは、パンが入っている袋自体の密閉性がとても高い。クリップで留めておけば乾燥も防げるので、2、3日なら常温保存を。冷凍保存する際は入れ替えず、元の袋に入れたまま冷凍室へ。

空気を通さない素材を使っているので、買った状態のまま冷凍室へ。

POINT2.乾燥と酸化を防ぎ、香りまで守る、ダブル包装。

高級食パンやクロワッサンの保存は、香りの維持も心がけたいので、空気を遮断するアルミホイルで包み、さらに冷凍用保存袋に入れる二重包みが正解。100円ショップで買える、アルミタイプの冷凍用保存袋を使っても。

アルミタイプの冷凍用保存袋には、1枚ずつラップで包んで入れる。

食パンの幅の3倍ほどの長さのアルミホイルの中央にパンをのせる。

長辺の端をパンの上で合わせて2、3回折り、短辺も折り込む。

冷凍用保存袋に入れて保存。これで冷凍室のにおい移りも防げる。

POINT3.保存の際は細かく分けず、1回に食べられる大きさに。

パンは細かく切り分けると劣化が進むので、一度に食べきれる大きさで保存する。フランスパンも食パン同様にアルミホイルで包んで冷凍用保存袋に。形を崩したくないクロワッサンは、ホイルをくしゃくしゃにして使用。

パンの形に合わせ、ホイルの上下左右の端をしっかり折って閉じる。

POINT4.冷凍室臭や焼きムラの原因、霜は丁寧に落とすこと。

冷凍保存のパンを食べる際は、自然解凍がおすすめ。霜がついたままだとべチャッとなりやすく、そのまま焼くと冷凍室のにおいがついてしまう。焼きムラの原因にもなるので、解凍とリベイクの前にはしっかり霜を落とす。

食パンの場合は耳部分に霜がつきやすい。指先で丁寧に落とそう。

POINT5.ホイルの開閉の違いでトーストの食感が変わる。

冷凍した食パンは解凍せず、アルミホイルに包んだままオーブントースターで焼くと、ホイル内で蒸され、生食パンのようなふわふわな食感に仕上がる。ホイルを開けて焼けば、カリッとサクサクした食感にできる。

ホイルで包んだまま、トースターで5〜6分焼けばふわふわに。

ホイルを開いて3〜4分ほど焼けば水分が抜け、表面がサクサクする。
 ↓

機種によって色のつき具合が異なるので、様子を見ながら焼いて。

POINT6.リッチなパンを解凍するには、電子レンジを上手に使う。

油脂分の多い冷凍パンをすぐ食べたいときは、ペーパータオルに包み、電子レンジ(600W)でクロワッサンなら20秒、バターロールなら15秒ほど。パンの水分を適度に放出しながら解凍し、さっとリベイクすれば焦げつきにくい。

乾いた耐熱のペーパータオルで、パンを包むようにして解凍する。

POINT7.蒸し器を使うと、ムッチムチの新食感に。

バゲットやカンパーニュ、高級食パンを解凍後、蒸し器で3〜4分蒸し上げると、パン生地が満遍なく水分を吸収し、モッチモチの新食感に変わる。ただ、クロワッサンは蒸すとべチャッとなるのでこの方法は不向き。

蒸し上げることで食感が変わるだけでなく、香りも立ってくる。
島本美由紀

島本美由紀 さん (しまもと・みゆき)

料理研究家

ラク家事アドバイザー。簡単で、食材を使い切る時短レシピやおもてなしレシピを提案。実践しやすい食品保存のテクニックも発信中。

『クロワッサン』1087号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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