くらし

パン好きがきっかけでプロのイラストレーターに。秋山洋子さんが語るパンの魅力。

  • 撮影・青木和義 文・石飛カノ

好きなパンを可愛いイラストに。目と舌で味わい尽くすパンの魅力。

和歌山の『BAKING GARAGE HARiMAYA』のお取り寄せセット 3,200円。北欧で食べたシナモンロールとカルダモンロールの味が忘れられず、秋山さんが国内で探し出したのがこちらのお店。

カレンダーにエコバッグ、エプロンに一筆箋。イラストレーター・秋山洋子さんのオリジナルグッズにデザインされているのは、見るからにおいしそうなパン、パン、パン。

「もともとカフェ文化やデザインに興味があって大学でデザインを専攻し、就職と同時に上京しました。その頃テレビでパン職人特集みたいな番組を見て、東京にはこんなにおいしいパンがいっぱいあるんだと知って」

長崎の『Bo ulangerie Kona』のパン。写真はふるさと納税の返礼品の一部。1万4000円で16個入り。オーナーの職人さんとはもともと知り合いだそう。どちらのパンも粉や塩など地元産の素材を使用したこだわりの逸品。

食べ歩きを始めたのが20代半ば。スマホがまだない当時、メモ代わりに食べたパンをスケッチすることに。

「実は絵は苦手だったんですけど毎日描くうちにだんだんうまくなりました。描くときはパンをすごく見るのでひとつひとつのパンの記憶も残ります。今では写真で断面の気泡を見るだけで、どんなパンなのか大体わかります(笑)」

毎日食べるものだから、確かな素材のものを選びたい。

購入したパンは即スライスして冷凍。食べるときは霧吹きで水をかけ、2〜3分オーブンで加熱するとフワッと仕上がる。

やがてパンの愛好家の会の会報誌でイラストを描くようになり、プロのイラストレーターへ。主に作品のモチーフとなるのは毎日食卓に登場するパン。

「朝と昼の主食はパン。毎日食べるものなので、基本的にお砂糖や卵、牛乳などが入っていないハード系パンを食べています。あのバリッとした硬い皮の食感が好きなんです」

「描いて食べて。 気泡の形や焼き加減でどこのパンなのかすぐ分かります。」秋山さんのイラスト技法は透明水彩。「パリッとした皮の質感を出すために、水はあまり使わずに描きます。本物より鮮やかな色を重ねるとおいしそうに見えます」。

もはやパンのない人生は考えられないという。なので、極力体に負担の少ないパンを求め、都内の店ばかりか、地方からお取り寄せすることも少なくない。

ある日のブランチ。気分に合わせて選んだパンを豆乳スープとチーズ、サラダとともに。

「小麦アレルギーにならないよう白い小麦粉ばかりじゃなく全粒粉やライ麦などいろんな素材をまんべんなく食べるように心がけています。それに材料にもこだわった職人さんの顔が見えると、余計おいしく感じられます」

秋山洋子

秋山洋子 さん (あきやま・ようこ)

イラストレーター

福岡県生まれ。パンの愛好家が集う「パンの会」でイラストを描き始め、1996年の書籍出版を機にイラストレーターに。雑誌や書籍のイラスト制作ほか、グッズも多数手掛ける。

『クロワッサン』1087号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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