パン好きがきっかけでプロのイラストレーターに。秋山洋子さんが語るパンの魅力。
撮影・青木和義 文・石飛カノ
好きなパンを可愛いイラストに。目と舌で味わい尽くすパンの魅力。
カレンダーにエコバッグ、エプロンに一筆箋。イラストレーター・秋山洋子さんのオリジナルグッズにデザインされているのは、見るからにおいしそうなパン、パン、パン。
「もともとカフェ文化やデザインに興味があって大学でデザインを専攻し、就職と同時に上京しました。その頃テレビでパン職人特集みたいな番組を見て、東京にはこんなにおいしいパンがいっぱいあるんだと知って」
食べ歩きを始めたのが20代半ば。スマホがまだない当時、メモ代わりに食べたパンをスケッチすることに。
「実は絵は苦手だったんですけど毎日描くうちにだんだんうまくなりました。描くときはパンをすごく見るのでひとつひとつのパンの記憶も残ります。今では写真で断面の気泡を見るだけで、どんなパンなのか大体わかります(笑)」
毎日食べるものだから、確かな素材のものを選びたい。
やがてパンの愛好家の会の会報誌でイラストを描くようになり、プロのイラストレーターへ。主に作品のモチーフとなるのは毎日食卓に登場するパン。
「朝と昼の主食はパン。毎日食べるものなので、基本的にお砂糖や卵、牛乳などが入っていないハード系パンを食べています。あのバリッとした硬い皮の食感が好きなんです」
もはやパンのない人生は考えられないという。なので、極力体に負担の少ないパンを求め、都内の店ばかりか、地方からお取り寄せすることも少なくない。
「小麦アレルギーにならないよう白い小麦粉ばかりじゃなく全粒粉やライ麦などいろんな素材をまんべんなく食べるように心がけています。それに材料にもこだわった職人さんの顔が見えると、余計おいしく感じられます」
『クロワッサン』1087号より