昔うちにはお手伝いさんがいたことがあって、その女性はクリスチャンでよく僕を教会に連れて行ってくれたんです。で、その時に彼女がよく口ずさんでいたのが、♪春のうら〜ら〜の〜、隅田川〜。
日本古謡の『花』ですが、幼いから意味がわからず、「うらら」というのもまた呪文めいていて、僕はてっきり「うらら」が教会を意味するもんだと思ってました。
日本には花をモチーフにした歌謡は多いです。そしてそのヒット曲には、へえ、という意外なエピソードを持つものが少なくない。
『赤いスイートピー』といえば松田聖子さんですが、この曲がヒットするまではスイートピーといえばピンクが主流で赤はほとんど栽培されなかったそうです。曲が花の色を塗り替えた。
山口百恵さんの『秋桜(コスモス)』もエポックメーキングでした。コスモスの花を「秋桜」と漢字に当てたのはこの歌が初めてで、今ではコスモスとキーを叩けば当たり前のように「秋桜」と変換されますから。