くらし

「趣味がない」人こそ必見!? 今からでも始めたくなる習い事。

大人になったからこそ、余裕を持って楽しめる習い事はたくさんある。まずは気になったものから試してみよう。
  • 撮影・黒川ひろみ 文・中沢明子

【創作する】

意外なものも自分で作れる! 一つチャレンジすると、あれもこれもと「作りたいもの」が増えるはず。

活版印刷

●1文字ずつ選び、好きな文字を並べて手作業で紙に刷る。

デジタルで〝活字〟を読むことが多い現代だが、だからこそ、紙に印刷されたあたたかみのある〝活字〟が見直されている。

15世紀にグーテンベルクによって発明された活版印刷は、金属製でハンコと同じく文字が裏返しに刻んである〝活字〟にインキをつけて刷る方法。つい最近まで、この技術が人類の知識向上に貢献してきた。

デジタル化以前は職人が1文字ずつ手作業で〝活字〟を組んだ版で印刷していたため、1冊の本を作るのに、途方もない手間がかかっていたのだ。

そんな活版印刷を体験できるのが大手印刷会社・凸版印刷が運営する印刷博物館。
体験では、金属製の活字を組み、卓上式のアダナ印刷機を使い、コースターや名刺に思い思いの文字を刷ることができる。豊富な知識を持つインストラクターが丁寧に教えてくれるので、誰でもきれいな印刷物を作れる。

1文字ずつ活字を並べ、しっかり固定してからガシャンガシャンと印刷すると、艶やかなインキで浮かび上がる文字。出来上がった印刷物は、素朴ながら美しく、「自分で作った」という付加価値も相まって、とても愛おしい。印刷博物館では古今東西の印刷史も学べる。時間に余裕を持って、ぜひそちらも見学を。

インストラクターが活版印刷の基礎や歴史をわかりやすく教えてくれるので、楽しく印刷できる。

活版印刷体験用の道具。形が似た文字もあるので慎重に選んで。

大文字、小文字、好きに並べた印刷物。かわいい!

●印刷博物館「活版印刷体験」

東京都文京区水道1・3・3 トッパン小石川本社ビル(印刷博物館内印刷工房)
TEL.03・5840・2300
木・金14時、土・日・祝14時、16時(各30分/定員6名/入館料大人400円)。
事前予約制。コースター、栞など、当日指定されたアイテムに活字を組んだ版を使い、手動で印刷。自分で印刷したアイテムは持ち帰れる。さらに活版印刷体験をしたい人のために「大人のための活版ワークショップ」も開催。こちらはワークショップ内容により、材料費+入館料が必要。日時やテーマは公式サイトで確認を。
https://www.printing-museum.org/experience/studioevent/

和菓子

●お菓子作りも“和”の伝統に挑戦!

和菓子を食べるのは大好きでも、作るのは洋菓子ばかり、という人が多いのでは? 

繊細で難しそうに見えるが、実は基礎さえ学べば、家庭でも和菓子作りを楽しめる。和菓子家・大森慶子さんによるユイミコでは初心者が楽しく学べるさまざまな講座を開催。美しい練切や饅頭を自作すると、改めて〝和〟の魅力にハマります。

練切製の「りんごの花」。繊細な色合いの和菓子も意外に簡単!?

レッスンでは、菊を表現した練切など、季節に合った和菓子を作る。

●ユイミコアトリエ和菓子教室

東京都豊島区巣鴨1・41・3 NEST YS 1F
不定期開催のため、日時とメニューは公式サイトで要確認(各回定員6名)。予約受付はWebからのみ。毎月、季節に合った練切や饅頭などの和菓子を製作。材料費込みで4,000円/回。
エプロン、ハンドタオルなど持参。その他、オンライン教室やカルチャーセンターでの講座もあり。詳しい内容は公式サイトhttp://www.yuimico.com/、最新情報はインスタグラム(@yuimico_wagashi)などでチェックを。

【表現する】

楽器を弾く。歌う。声を出して演じる。体を使って思いを表現して、気持ちを開放!

三味線

●小粋な音が鳴り響く三味線ワールドを自分の指で切り拓く。

三味線が奏でる音を聴くと、スカッとした気分にならないだろうか? 
最近は、伝統的な古典のみならず、現代の曲を小粋にアレンジして弾く奏者も多数おり、三味線が静かなブームだ。

ジャズのような小唄、クラシカルな地唄など、三味線のジャンルは複数あるが、「まずは気軽に好きな曲を楽しんで弾けるようにしましょう!」と話すのは、第一線で活躍する三味線奏者、山本ゆきのさん。初心者からプロに至るまで稽古をつけてくれる、やさしい指導者でもある。

バチで弦を弾き、胴と呼ばれる太鼓部分を手で叩くーー。
打楽器と弦楽器が融合した珍しい楽器の三味線に、さらに歌をつけるとなれば「3つの楽器」を同時に操るような難しさだが、バランスを考えながら自分で曲を作り上げる楽しさもひとしおだ。「やりたい気持ちを大切に。少しずつでも上達すれば、どんどん楽しくなります」

山本さんの教室では、オンラインや出稽古など受講者の環境に合わせたレッスンが可能。今年からは東京・日本橋での和楽器体験教室も開講予定。年に1度開かれる発表会を目標に、生徒が各自のペースで練習に励む。

ベベンベンベン!という小気味よい三味線の音は唯一無二の魅力。自分で弾けるようになったら、きっと爽快だ。

一人一人の個性やスキル、「やりたいこと」を最大限考慮しながら進められるマンツーマンの稽古。気軽に質問もできる。

山本さんの教室「音緒乃会」では年に1度、発表会がある。

三味線の基本セット。レンタル可だが、自分好みの道具を揃えるのも楽しみの一つ。

明るく、ざっくばらんな性格で、生徒からの信頼も厚い山本さん。

●山本普乃(ゆきの)三味線教室「音緒乃会」

東京都狛江市内
TEL.03・3430・1066
入会金(音緒乃会)1万円、通常1レッスン(1枠50分)5,000円、会員外 単発レッスン(1枠50分)8,000円。月謝制ではなく、1レッスンごとのレッスン料。
月2回以上が理想だが、自分のペースで受講可能。2カ月前より、稽古場にスケジュール表が貼り出されるので、稽古希望日を自身で記入。レッスン用の楽器、小物は稽古場に用意されている。見学、体験(無料)も歓迎。年に1度の発表会「音緒乃会お浚い会+親睦食事会」に参加可能(会食費3万円程度)。その他、オンラインレッスン、出稽古など、フレキシブルに対応。
問い合わせ、申し込みは、yukino@kazekusa.jpまで。https://yukino.kazekusa.jp/

声楽

●のびのびと歌を楽しむ。

「オー・ソレ・ミオ」や「サンタ・ルチア」といった曲が有名なカンツオーネも、イタリア式の正しい発声方法を学べば歌えるように。子どもの頃に音楽の教科書に載っていたのを思い出し、歌ってみたいと声楽のレッスンを始める人が多いそう。カンツオーネから歌を始めると、いろいろな曲に挑戦しやすくなるのも魅力。

大人になってからでも、練習で必ず上達するのが歌を習う醍醐味。

●MAT(マット)音楽教室

東京都墨田区東向島2・13・7 YMK曳舟2F 
TEL.03・6657・5151
営業時間:13時〜20時(土曜は11時〜18時)
日・祝日休 レッスンは月3〜4回、年間41回。
料金は30分1万200円、45分1万4700円、60分1万9200円(月謝のほか、教室運営費が月額1,800円、入会時に入会金1万1000円)。声楽コースは木曜開講。内容は、オペラ、歌曲、カンツオーネ、童謡から選べる。無料体験も実施しているので、気軽にお試しも可能。https://www.mat-music.jp/

演劇

●演じて感動し、仲間と楽しさを分かち合う。

多様な背景を持つ仲間たちと共に演技に挑戦。日常生活では味わえない感覚を研ぎ澄ます体験は感動的で視野も広がる。
体を使って演じるうちに、思いがけない気づきがあったり、抑えていた感情があふれたりーー。演じる楽しさを共有しながら、芸術を愛するコミュニティの一員として参加する新たな交流が人生を豊かにする。

初めて演技する、という人が多い。個性が活きるレッスンで新たな自分を発見。

●ENTRYACT(エントリー・アクト)演劇教室

東京都豊島区東池袋5・15・12
問い合わせ info@entryact.jp
習い事演技クラス(月・夜クラス、土日・朝、昼、夜クラス 各3時
間/各クラス定員10名/稽古日は上級クラス以外なら自由に移動可能)。料金は新規スターターパック3万6000円(3カ月/12回分)、以降、月謝1万2000円(週1回)、フリーチケット2万5000円(5回分/3カ月有効)。初めての人のための単発ワークショップ(基本的に毎月1~2回開催。スケジュールは公式サイトを確認)。料金は5,000円。
https://entryact.jp/

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