【歌人・木下龍也の短歌組手】想像を掻き立てる秀逸な短歌の数々。
〈読者の短歌〉
隣からものすごい音が一度してそこからなにも聞こえてこない
(木村槿/女性/テーマ「音」)
〈木下さんのコメント〉
線ではなく、点で終わるから、その先にありそうな恐ろしい点へつなげてしまいそうになる。考え続けても、なんの音だかわからないからこそ、想像を掻き立てられる。もう一度聞くことができればわかるかもしれないが、もう聞こえない。不安の種をうまく捉えた一首。
〈読者の短歌〉
おじゃる丸、忍たま、天テレの順に濃くなっていくおかずの匂い
(砂崎柊/男性/テーマ「匂い」)
〈木下さんのコメント〉
懐かしいなあと思いましたがいまでもこの流れで放送されているんですね。母のつくる煮物が食べたくなりました。あのころはありがとうなんて思ってなかったな。
〈読者の短歌〉
アレレレレσ^_^; 返事ないけど、元気カナ?? 美味いイタ飯、ご馳走するヨ(^_−)−☆
(はるのかまぼこ/女性/自由詠)
〈木下さんのコメント〉
……。
〈読者の短歌〉
おーいコラッ|( ̄3 ̄)| 返事しないと拗ねちゃうヨ!o(`ω´ )oナンチャッテ(笑)待ってるからネ(^_−)−☆
(はるのかまぼこ/女性/自由詠)
〈木下さんのコメント〉
…………。
〈読者の短歌〉
大丈夫??σ^_^; メール見れてる?故障カナ?(>人<;) 早く修理に行けるといいネ(´;ω;`)
(はるのかまぼこ/女性/自由詠)
〈木下さんのコメント〉
返歌:無視してるのに気が付かなかったカナ??σ^_^; 定型を守れててスゴイネ(^_−)−☆
〈読者の短歌〉
左手をはかりに乗せて集中し300gちょうどを狙う
「力を抜いてはかりに手をのせると350gくらいを推移します。」
(ラージライス/女性/自由詠)
〈木下さんのコメント〉
無意味な行為を短歌にすると唯一無二の輝きを得やすいですね。無意味だから類例が少ない。あ、はかりの針を300gちょうどにしないと鍵の開かない部屋に閉じ込められているとかではないですよね?もしそうだったら無意味とか言ってすみません。