くらし

藤井恵さんに教わる花椒の使い切りレシピ2品。

家中華に欠かせない調味料の特徴と、使い方の幅を広げる料理術とともに和洋食にも生かせる、たれやソースの作り方を紹介します。
  • 撮影・岩本慶三 文・一澤ひらり

【花椒】ホールのまま炒って使えば、 香りが立ち、風味もマイルドに。

花椒は中国の山椒で、完熟した実を乾燥させたもの。日本の山椒より、香りも辛みもピリピリしてかなり刺激が強い。

「舌がしびれるような辛さがほしいときは、粒をすりつぶして花椒粉にして使いますが、爽やかな香りを生かしたいときは粒のまま使うといいんです。乾炒りした花椒に油を注いでゆっくり香りを出す、花椒油を作っておくと、そのままたれやソースに使えます。餃子のたねにこの花椒油を入れると、ほのかに花椒の香りが立ち、辛みも抑えられて、まろやかになります」

焼き餃子でもおいしいが、蒸し餃子にすると花椒の風味が閉じ込められて、ますます味わい豊かに。また、おつまみにおすすめなのが花椒アーモンド。

「素焼きのアーモンドを花椒の粒と一緒に、海水と同じ3%塩分の塩水に漬けてから素揚げします。ほんのりと塩味がつく上に、花椒の辛みや香りが効いて、まさに大人の味になります」

左・中国の山椒ならではの独特の辛みで、麻婆豆腐や泡菜(浅漬け)に少量加えると、四川料理の特徴である”麻辣”(痺れる辛さと唐辛子の辛さ)が実現するとともに、味が引き締まる。花椒 20g 236円(税込)(耀盛號 TEL.045-681-2272) 右・ピリッとした辛みと香りが広がるので、粒のままで魚や肉などの山椒煮に使ったり、ミルで挽いたり粗くつぶして、汁物やサラダの仕上げに加えると風味豊かな味わいに。花椒 30g 180円(ユウキ食品)

花椒餃子

花椒の香りがふくらみ、意外なほどやさしい味わい。

【材料(20個分)】
豚ひき肉200g
白菜200g
塩小さじ1/2
A[おろし生姜1かけ分 酒大さじ1 しょうゆ小さじ1 砂糖小さじ1]
B[ごま油大さじ1/2 サラダ油大さじ1と1/2 花椒大さじ1/2〜1]
片栗粉大さじ1
餃子の皮(大)20枚
つけだれ[つぶした花椒、酢または黒酢各適量]

【作り方】
1.白菜はみじん切りにして塩をふって混ぜ、しんなりしたら水気を絞る。
2.Bは小鍋に花椒を入れて乾煎りをし、油を加えて弱火にし、フツフツと香りが立ったら火を止めて冷ます(花椒油)。
3.ひき肉にAを順に入れて、その都度しっかり混ぜる。白菜、2を加えて混ぜ合わせ、片栗粉を加えてさらに混ぜる。
4.餃子の皮の縁に水をつけ、3を中央にのせて2つ折りにし、たねの部分を親指で押すようにして両端を寄せて重ね合わせ、水をつけてくっつける。
5.蒸気の上がった蒸し器に4を並べ、強火で10分蒸す。器に盛り、つけだれでいただく。

花椒アーモンド

カリカリのアーモンドに、花椒がピリッとスパイシー。

【材料(作りやすい分量)】
A[アーモンド(素焼き)100g 水1カップ 塩小さじ1 花椒大さじ1]
揚げ油適量

【作り方】
1.小鍋にAを入れて火にかけ、煮立ったら火を止める。保存容器などに移し、冷めたら冷蔵庫に一晩おく。
2.1のアーモンドと花椒の水気をしっかりと切る。160度の揚げ油に、アーモンドと花椒を入れて10分ほどじっくり揚げる。冷ますとカリッと香ばしくなる。

藤井 恵

藤井 恵 さん (ふじい・めぐみ)

料理研究家

管理栄養士。作りやすくておいしい健康レシピで人気。著書に『50歳からのからだ整え2品献立』(主婦と生活社)など多数。

『クロワッサン』1031号より

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