そして少女が避けきれずにぶつかって「痛〜い!」と尻餅をつく度に、鼻毛のはみ出たキモいオヤジが現われて「これも運命なのですよ」とにやけて言う。「ちが〜う!」と叫ぶ少女。そりゃそうだわな。
あわてて走ってぶつかった異性と運命の出会い……というのは乙女チック少女マンガの定番コースだった。この場合、相手は必ず若くてイケメンである。だから多少ストーリーが甘くても読者は納得した。しかし、このアプリのように相手がキモいオヤジだったなら、よほど心を揺さぶるストーリーを構築しない限り、読者は納得してくれない。
つまり、美男美女でなくても成立する恋愛作品は質が高いと思う。
乙女心が魔法に勝って、野獣やカエルが王子様に変身するおとぎ話がある。このアプリも、ラストでオヤジがイケメンに変身すれば、それでハッピーエンドなのだが……。