くらし

アポ電、架空請求ほか、最新のお金トラブル、実例と対策。

  • 文・保手濱奈美 イラストレーション・村上テツヤ

[アポ電]詐欺を信じ込ませるための事前電話。

詐欺の事前にかかってくる電話。オレオレ詐欺でいう息子のなりすまし電話もアポ電の一つ。相手を信じ込ませて詐欺にかかりやすくさせるための手口で、たとえば役所の職員を名乗る人物から、「法律の改正によって医療費が戻ってくる」といった電話があり、その後、銀行員を名乗る人物から電話がきて、手続きと称する指示に従うと、お金をだまし取られるというもの。

あるいは、詐欺を行う事前のリサーチ用に、NHKなど公共のアンケート調査を装い、資産状況や家族構成を聞き出すというケースもある。

代わる代わる電話をかけてくる劇場型。

[キャッシュ カードを盗む]口座から現金が極限まで引き出される。

少し前までは、ATMでお金を振り込ませようとする詐欺が横行していたが、その手口が警戒されている今は、キャッシュカード自体を盗むことに狙いが集中。多くは、警察や銀行協会員を騙る人物から、「あなたの銀行口座が不正に利用されている」といった嘘の電話がかかってくるというもの。信じると自宅まで来て、キャッシュカードと暗証番号を封筒に入れ、保管するよう指示される。そして、気をそらされている隙に、封筒がすり替えられてしまう。ほかにも「カードが古いから換える」などの手口がある。

封筒を使ってだまし取られる手口が多い。

[クレジット カード詐欺]目を離している隙に情報が盗まれる。

高級なレストランでは、テーブル決済でクレジットカードを店員に預けることもあるが、レジに持って行かれている間に、店員にカード番号や、カードの裏のセキュリティコードをメモなどで控えられ、盗まれてしまうケースがある。なるべく発覚が遅れるように、少額の買い物をされ続ける場合もあれば、カードの情報が売られてしまうという被害も。いい店だから大丈夫だろうという油断は禁物。

また、クレジットカードはフィッシング詐欺のターゲットにもなっているので、使用する際は細心の注意が必要だ。

\クロワッサン倶楽部メンバーの ところにも来た! 詐欺の実例。/

●母が3年ほど前に電話での振り込め詐欺にひっかかり、いくらか振り込んでしまったそうです。その後は私も弟もなるべく小まめに母にLINEを送るなどで日常会話を増やすようにしています。

●知人の話ですが、(1)息子を装い「風邪をひいたから近くの病院を教えてほしい」と連絡→最寄り駅がバレた可能性。(2)後日、携帯をなくしてしまったので新しい番号に連絡先を変更するよう息子を装った電話。(3)その電話から、会社のお金をなくしたからお金を至急貸してほしいとの連絡。(4)家の近くまで弁護士が受け取りに行くと連絡。(5)銀行でお金をおろす際に銀行員にも詐欺ではないかと心配されたが、ほかの人にバレてはいけないと思って違うと嘘をつき、受け取りに来た人に現金を渡す。後日それが詐欺だったと発覚。もちろん(2)の電話番号にかけてもつながらない。

●実家の母が新しく電話を買ったのですが、それが60万円もするもので、私がそれを知ったときにはクーリングオフ期間を過ぎていました。その製品の実際の価格は確かに60万円のようですが、それは、大きなお屋敷など、玄関から各部屋をつなぐこともできるという製品だから。玄関から一目で見渡せるわが実家には不要なものでした……。

『クロワッサン』1014号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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