“自分は気をつけているので大丈夫”という人もいると思うが、意外と身近に落とし穴があるのがお金のトラブル。
「最も注意したいのは詐欺。息子になりすましてお金をだまし取ろうとする、いわゆる“オレオレ詐欺”がよく知られていますが、ほかにもさまざまな手口があり、時代に即して巧妙に“進化”しています。相手に警戒されれば、それをかいくぐるような新たな手口が出てくるなど、いつ誰がだまされてもおかしくない状況です」(詐欺、悪質商法ジャーナリスト・多田文明さん)
狙われているのは、高齢者だけではない。思いがけず危険な年齢層がある。
「60代以上の人には電話や書面で、30代以下の人にはメールやネットを経由して詐欺を仕掛けてくるケースが多いのですが、その間の40〜50代の人は、電話もメールも使う世代なので、詐欺師もその両方を駆使してくる。つまり、さまざまな詐欺の標的にされる危険性があると言えます。また、詐欺を未然に防げたからといって、油断は禁物。一度、対応してしまうと、詐欺グループの名簿に載ってしまい、手を替え品を替え、繰り返し詐欺がらみの連絡が来るようになるのが、今の傾向です」
だまし取られたお金は、まず戻ってこないと思ったほうがいいという。詐欺以外にも、悪徳商法など、近年のお金のトラブルは多岐にわたる。なかでも顕著な実例を多田さんに挙げてもらったので、お金を守るべく充分注意を。