暮らしに役立つ、知恵がある。

 

広告

老後資金2000万円の根拠って? ファイナンシャルプランナーに聞いた。

実際のところ、老後のお金はどのくらいかかるの? 見晴らしをよくするだけで、不安な気持ちも軽くなります。

文・黒澤 彩 イラストレーション・100%ORANGE

まずは老後不安を“見える化”する!

深田晶恵(ふかた・あきえ)さん●ファイナンシャルプランナー。生活設計塾クルー取締役。コンサルティングのほか、メディア、講演などで活躍。近著に『50代からの老後のお金のつくり方』(日経BP)がある。
深田晶恵(ふかた・あきえ)さん●ファイナンシャルプランナー。生活設計塾クルー取締役。コンサルティングのほか、メディア、講演などで活躍。近著に『50代からの老後のお金のつくり方』(日経BP)がある。

2019年に降って湧いた老後資金2000万円問題。貯蓄がない人はどうすれば? 年金だけでは暮らせないの? など、戸惑う声が上がった。

「老後のことを漠然と不安に思っていた矢先に2000万と言われて、動揺した人が多かったようです」と話すのは、個人向けコンサルティングも行うファイナンシャルプランナーの深田晶恵さん。この金額は下の図にあるように、現在の一般的な夫婦2人世帯の年金収入と支出を比べた場合、年間65万円が不足するという、ひとつのサンプルとして挙げられたもの。年金額も、必要な貯蓄額も、人によって異なる。

「そもそも、公的年金は現役時代と同等の収入を保障する制度ではないので、年金だけで足りないのは当たり前なんです。私の経験上、年間60万〜70万円不足するという目安は、年金額の多少にかかわらず、それなりに現実的な金額ではないかと思います」

深田さんによれば、老後不安は“お化け屋敷”のようなものなのだという。

「何が出るのかわからないから怖い。どの角を曲がったらどんなお化けが出てくるのかをわかっていれば、それほど怖くないですよね。老後も同じです。いつ何が起きるのか知ったうえで対策をすれば、不安を軽減できます」

“老後資金2000万円”の根拠って?

今の高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)の年間収支

総務省の家計調査データ(2017年)より ※深田さんの経験値 金融審議会の市場ワーキング・グループの…

総務省の家計調査データ(2017年)より ※深田さんの経験値

金融審議会の市場ワーキング・グループの報告書で用いられた標準的な世帯のサンプルがこちら。年金額は、会社員と主婦という夫婦のモデルを想定。

いくらもらえる? 年金早見表。

●会社員

[平均年収200万円] 
厚生年金加入期間40年:124万円 
厚生年金加入期間20年:102万円

[平均年収300万円] 
厚生年金加入期間40年:146万円 
厚生年金加入期間20年:113万円

[平均年収400万円] 
厚生年金加入期間40年:168万円 
厚生年金加入期間20年:124万円

[平均年収500万円] 
厚生年金加入期間40年:190万円 
厚生年金加入期間20年:135万円

※試算は「PSR」の簡易年金試算ツールを利用。https://www.psrn.jp/tool/nenkin_sj.php
※年金額は65歳から受け取れる「基礎年金」と「厚生年金」の合計額。
※平均年収は、働いた期間トータルで平均した年収。退職金は含まない。

●自営業・専業主婦など

国民年金(基礎年金)のみ:78万円

会社員の厚生年金は、「加入期間」と「その間の平均年収」から算出される。会社によっては、公的年金のほかに企業年金がある場合も。勤め先で確認を。

『クロワッサン』1014号より

広告

  1. HOME
  2. くらし
  3. 老後資金2000万円の根拠って? ファイナンシャルプランナーに聞いた。

人気ランキング

  • 最 新
  • 週 間
  • 月 間

注目の記事

編集部のイチオシ!

オススメの連載