くらし

お金のトラブルに遭わないために心がけたい4つのこと。

いろいろ切り詰めて節約した大切なお金を、詐欺被害などで失ってしまったとしたら……。そうならないよう、まずは学びましょう。詐欺、悪質商法ジャーナリストの多田文明さんに話を聞きました。
  • 文・保手濱奈美 イラストレーション・村上テツヤ

相手の身元はしっかり確認すること。怪しい時は本物かどうか自分で調べる。

「最近の詐欺は、役所や警察、銀行の名を騙り、電話をかけてくることが多いので、もし“何市の役所”と言ってくれば、まずどの部署かを相手に言わせて、電話をいったん切りましょう。そして104などで役所の電話番号を調べてから折り返すようにしてください。そもそもこうした機関から個人情報を聞き出すような電話がかかってくることはありません」(多田さん)

また、公式を装ったフィッシング詐欺に関しては、

「添付のURLをクリックしないのが一番。乗っ取りなどが心配な場合は、自分で調べたURLから公式ホームページをチェックしましょう」

お金のトラブルで心配なことは、消費者ホットラインなど相談ダイヤルへ。

詐欺でお金をだまし取られてしまったり、ネット通販で買った商品が届かなかったり、といったお金のトラブルはどこに相談したらいいのだろう。

「詐欺の場合は警察です。振り込んだのなら口座の金融機関にも連絡しましょう。ただし、口座にお金が残っていないと、お金は戻りませんのですぐに相談してください。ほかにお金のトラブルで心配なことがあったら、消費者ホットラインや警察相談ダイヤルなどに電話をしてみましょう。『怪しい』と思ったことは、一人で抱え込まず、友人など身近な相手に相談するのも一手。客観的に、『だまされている』と指摘してくれる可能性が高いのです」

消費者ホットライン「188」
詐欺や悪徳商法に遭った時や疑わしい時は、電話をすると相談に乗ってもらえる。

警察相談ダイヤル「#9110」
110番まではいかなくても、詐欺や悪徳商法などを警察に相談したい時の電話番号。

被害はなくても警察に通報しておくと、詐欺の広がりが食い止められる。

詐欺など実際にお金の被害に遭った時はもちろん、それが未遂であった場合でも、警察に通報することが大切。

「詐欺グループは名簿を持っているため、もしも自宅に詐欺の電話がかかってきたら、自宅周辺にも同じ電話がかけられている可能性があります。警察に通報すると、その情報が防災無線で共有されるなどして、地域で詐欺を防ぐことができるのです。また、詐欺に使われている電話番号を警察が把握すれば、その回線を止めることもできます。ただ、今の詐欺は、一度対応すると別の形で繰り返しだまそうとしてくるので、撃退したからといって、安心しないこと」

親が金銭トラブルに遭わないように、日頃から相談しやすい環境を作ること。

自分は気をつけていたとしても、親が詐欺や悪徳商法にだまされてしまう恐れもある。

「ひと昔前は、訪問販売で布団を買わされるなど、親が被害に遭ってもわかりやすかったのですが、今はキャッシュカードを盗まれるといったトラブルなので、子どもが気づきにくい。実家に帰った時は、そういった被害に遭っていないか、よく話をすることが大切です。その際、『そんなの詐欺に決まっている』など感情的にならず、親が話しやすいような関係作りを心がけましょう。また、これまで羽振りがよかったのに、急に倹約家になった、など行動の変化にも注意をしてください」

多田文明(ただ・ふみあき)さん●詐欺、悪質商法ジャーナリスト。潜入取材を行うこと100カ所以上。あらゆる詐欺や悪徳商法の手口に精通。著書は『「絶対ダマされない人」ほどダマされる』(講談社)など多数。

『クロワッサン』1014号より

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