くらし

子どもの素の声は親への最高の番組になるかも。│ しまおまほ「マイリトルラジオ」

小学生にインタビューをするというWEB連載を持っている。子どもたちの間で何が流行っているか、どんなことを考えて毎日過ごしているか、好きな言葉、1日中好きなもの食べられるなら何を食べる?など、自由におしゃべりしてもらう。それを原稿にまとめる時、録音した素材を聴く作業がかなり楽しい。脱線しまくり、とりとめも、オチもない会話なのだけれど、ずっと聴いていたいくらい心地良く、なんとも言えない癒しを感じるのだ。

6〜12歳の子どもが、自分のことを一生懸命、照れたり、迷ったり、暴走したりしながら話す声がなんとも可愛くて。こういうラジオがあったら、と思ってしまう。しかし、初めてのスタジオで知らない人たちに囲まれながら話してもこのオーラは出ないだろう。

子どもの頃、友だちと集まってカセットテープにラジオ番組を録音して遊んでいた。タイトルをつけて、中継コーナーやハガキを読んだり…それはそれで微笑ましく面白いのだけれど、そこにいるのは「大人の真似」をしている子どもたち。

ウフフフフ…。あのねえ、うんとねえ、うーん、わかんない…。ねえ、ママが代わりに言ってー。

そんな子どもの素の声はイヤホンで聴いていると耳がこそばゆくなり、思わず寝そうになることも。

あっという間に過ぎてしまう、子どもが等身大の自分でいる時間。

映像や写真もいいけれど、音に残しておくのもなかなか良いかもしれない。将来、親たちにとって最高のラジオ番組になるかも。

しまお・まほ●エッセイスト、漫画家。1997年『女子高生ゴリコ』でデビュー。著書に『マイ・リトル・世田谷』。

『クロワッサン』1014号より

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