伊藤 あたしね、夫を亡くして娘3人も独立して、アメリカから帰ってきたでしょ。ここまでひとり暮らしになるのって初めてで、寂しくってしょうがないの。ここに来ると、「ねえ」って言えば「なあに?」って返してくれる。何もなくても呼応してくれる相手がいるって、すごくありがたい。
枝元 ずっとひとり暮らしだったから、ひろみちゃんから「いまから帰ります」っていうメールをもらうと、おっ、そっか、って思う。でもそれを先に知りたいとは思ってないわけだし、先に知りたいと思ったらダメなんじゃないかとも思ってる。お互い何も期待していないのが楽でいいね。野良猫には期待しないもんね(笑)。それがゆる〜く共同生活していく秘訣かもしれない。男だとそうはいかないもの。
伊藤 お互いの男のことは全部知ってるけどね(笑)。こんなふうに長くつきあえるのは、私が子育てしたり、アメリカへ行ったり、親の介護したり、刻々と状況が変わっていくなかで柔軟に対応してくれたからだ思う。