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【後編】麻木久仁子さんの気づき。二度の病気を経てたどり着いた、健やかな体をつくる薬膳。

闘病を経て食事の大切さを痛感した麻木さんが、出合ったのが薬膳。毎日のことだから、気負わず手軽にという、その極意を教えてもらった。
  • 撮影・黒澤義教 文・石飛カノ スタイリング・中根美和子 ヘア&メイク・山崎照代 撮影協力・AWABEES

薬膳の肝は調理より食材の選び方。気負わずに取り入れて。

麻木久仁子(あさぎ・くにこ)さん●タレント。テレビ、ラジオで活躍するほか、ウェブや新聞で書評を担当。脳梗塞、乳がんの経験を経て国際薬膳師の資格を取得。著書に『生命力を足すレシピ』(文響社)など。

「四季折々の食材を選び、 組み合わせることが基本。」

「薬膳」と聞くと何やら難しそう。料理は得意じゃないし、中華料理を作るなんてハードルが高い。いえいえ、そんなことはありません、と麻木さん。

「薬膳の肝は食材の選び方。余計な調理をする必要はなく、蒸すとか炒めるとかシンプルな調理を推奨しています」

食材の選び方の基本は、5色の食材を揃えること。中医学では万物を5つの要素に分け、これらを調和させることで陰陽のバランスを整える。色に関してもそれぞれ意味があり、青はイライラを鎮め、赤は血の巡りをよくし、黄は胃腸を整え、白はカラダを潤し、黒は生命力を高めると考えられている。

「入り口としては5色を取り揃えた食事を腹八分目で食べること。あとは体を温めるもの、冷やすものを体調や体質に合わせて選ぶこと。基本的に旬のものを選んでおけば、その季節に合った効果が期待できます」

難しく考えず、季節の食材を選んで彩りよく組み合わせる。たとえば、夏バテ防止薬膳がこちらの冷や汁。

「普通の冷や汁では豆腐を入れますが、今回は滋養強壮の筆頭食材の山芋を入れました。セロリやきゅうり、トマトなどの夏野菜は体を冷やしてくれます。また、みょうがや大葉など、香りのいい薬味は全身に気を巡らせてくれるので、夏バテでぐったりしているときはどんどん取り入れたい食材です」

ごはんにかけてもよし。食欲のないときはそうめんにかけてもよし。

 

熱を取り、気を巡らせる夏の一碗。【山芋入り簡単冷や汁】

【材料(2人分】
アジの干物1尾、きゅうり40g、セロリ40g、プチトマト6個、大葉4枚、みょうが1個、大和芋100g、白すりごま20g、味噌40g、だし汁400ml、ごま油適量

【作り方】
1.アジの干物は焼いて骨を取りながらむしっておく。きゅうりとセロリは薄切りにして塩少々(分量外)をまぶし、しんなりしたら水気をしぼる。プチトマトは半分に切る。みょうがと大葉は千切りにする。大和芋はすりおろす。
2.白すりごまと味噌を混ぜ、耐熱容器に薄く塗りつけて、トースターか魚焼きロースターで焦げ目がつくまで焼く。
3.ボウルに2とだし汁を入れよく混ぜ合わせ、アジ、きゅうり、セロリを加える。
4.器に大和芋、プチトマトを入れて3を注ぎ、みょうが、大葉をあしらい、ごま油をまわしかける。白ごま(分量外)をふる。

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