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「老け見え」の原因にもなるゴースト血管って何?医師が注目するコエンザイムQ10の効果と摂り方を解説

美と健康の大敵「ゴースト血管」は、実は40代から増え始めます。手軽にできる対策を、アンチエイジングの専門医に聞きました。
  • 文・クロワッサンオンライン編集部

40代から要注意 美と健康の大敵「ゴースト血管」とは?

画像はイメージです。

最近、こんなことは気になりませんか?

□肌のシミやシワが気になる
□髪の毛のハリやツヤが減ってきた
□顔や足がむくみやすい
□同年代の友達より自分の方が老けて見える

ひとつでも当てはまる人には、「ゴースト血管」が増え始めている恐れがある。

「ゴースト血管とは、血液が流れなくなり、幽霊(ゴースト)のようになってしまった毛細血管のこと。老け見えの原因になるだけでなく、放置すれば心臓病や認知症のリスクを高める可能性もあります」と指摘するのは、抗加齢医学の権威で愛媛大学大学院 教授の伊賀瀬道也さん。

血管と聞くと、動脈や静脈を思い浮かべる人が多いが、実は全身の血管の99%は毛細血管だという。毛細血管が全身の皮膚や臓器などすみずみまで酸素や栄養を供給してくれるからこそ、美と健康を保てる。

なぜ毛細血管がゴースト血管になってしまうのか?循環器の専門医として医師のキャリアをスタートした伊賀瀬さんが注目するのは心臓だ。

「心臓の力が衰え、全身の毛細血管に血液が行き渡らなくなることが最大の要因だと思います」

「ゴースト血管」手軽なセルフチェック方法

病院で精密検査を行わなくても、誰でも手軽に「ゴースト血管」のリスクをチェックできる方法がある。

「左手の人差し指の爪を、右手でぎゅっとつまんで5秒ほど置いてから離してください。すぐに爪の色が白からピンクに戻れば大丈夫です。もし、2~3秒経っても戻らなければゴースト血管が増え始めているかもしれません」

20代ではゴースト血管の人はほとんどいないが、40代から次第に増え始める。60~70代になると、20代と比べて毛細血管の量は4割減るという研究もある。(出典:Kelly RI, et al. The effects of aging on the cutaneous microvasculature. J Am Acad Dermatol. 1995;33:749-756. )

しかし、日々の運動や栄養の摂り方しだいで、ゴースト血管対策は可能だ。

「ゴースト血管」対策のカギは、適度な歩行と還元型コエンザイムQ10

「私が一般の方にオススメするのは、毎日できれば8000歩、最低でも4000歩程度は歩くことです。歩けば、第二の心臓とも言われるふくらはぎの筋肉のポンプ作用で全身の毛細血管にも血液が行き渡り、ゴースト血管の進行抑制と予防が期待できます」

歩くのがどうしても億劫という方は、例えば電車などの待ち時間で、かかとを上げ下げしてふくらはぎを刺激するだけでもある程度は効果が期待できるそうだ。

栄養も重要。伊賀瀬さんが特に注目するのは、還元型コエンザイムQ10という成分だ。

「コエンザイムQ10という成分が大事です。これは、全身の細胞のエネルギー源となる物質です。もともと、心機能の低下したうっ血性心不全の補助治療薬として少量の投与が認可されているため私も処方していた成分で、いわば心臓にとってのビタミンのようなものです。大事な成分ですが基礎疾患のない方には処方できませんし、食事から十分な量を摂るのは難しいため、私としては予防医学的な観点から摂取するならばサプリメントも併用することをオススメします」

コエンザイムQ10は、いわし・大豆・アーモンド・ほうれん草などに含まれている。しかし、効果が期待できる1日の目安量100mgを摂取するには、いわしだと20尾分も必要だとか。店頭で購入する場合は、「還元型コエンザイムQ10」と明記されているものが効果的だ。

「40代を過ぎると、心臓だけでなく全身のコエンザイムQ10が減り始めると考えられます。適度に補うことで、心臓だけでなく全身の細胞の活性化も期待できるでしょう」

伊賀瀬道也

伊賀瀬道也 さん (いがせ・みちや)

愛媛大学大学院 抗加齢医学(新田ゼラチン)講座 教授、愛媛大学附属病院 抗加齢予防医療センター センター長

1964年愛媛県生まれ。1991年、愛媛大学医学部卒業後に第二内科(循環器)に入局。2006年に国立大学では珍しかったアンチエイジングを研究する抗加齢センター(現・抗加齢・予防医療センター)を開設。抗加齢医学研究のトップランナーとして活躍の幅を広げている。

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