くらし

目的のない時間をたっぷり持っている人は、当然早く老けますね――樋口恵子(婦人問題評論家)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、あなたの「感覚年齢」を考えてみましょう。
  • 文・澁川祐子
1978年7月10日号「あなたの感覚年齢は?」より

目的のない時間をたっぷり持っている人は、当然早く老けますね――樋口恵子(婦人問題評論家)

1978年7月10日号の巻頭特集は「感覚年齢」。実際の肉体年齢にとらわれず、どれだけ精神的に生き生きと若々しくいられるかを問う企画です。

感覚年齢を判定する目安として、編集部が投げかけるのは<あなたは、まわりに猛反対されてもすてられない趣味(ナニカ)を持っていますか>という質問。それに対し、

<多くの場合、未婚の女性は結婚して暇にでもなったら“何か”しよう、と思い、結婚した女性は子どもが大きくなったら“何か”しようと思い、“何か”はいつまでたっても何にもならない>

とばっさり。そしてダメ押しとばかりに、今回の名言が続きます。自分だけの時間をどれだけ大切にしているかが、感覚年齢に響いてくるということ。

そこで名言の主、樋口恵子さんは<することは何だっていい。まず自分は何が好きなのかを考えてみることです>と語り、町内の自治会でもボランティア活動でも、家庭以外に自分の時間を持つことをすすめます。

専業主婦の多かった当時といまとでは、もちろん女性が置かれている状況は違うでしょう。子育てや仕事を抱えている女性にとっては、目的なくぼーっとする時間を少しでも持ちたいと思うのが本音ではないかと思います。

ただ、これからは「人生100年時代」などと言われる時代。子育てや仕事がひと段落したとき、“何か”を持っているかどうかは、当時以上に大切になってくるのではないか――。違う角度から、この名言の威力がじわじわと迫ってきました。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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