からだ

自治体がぞくぞく採用!毎日楽しめて認知症を予防できるアプリ。

人生100年時代、いつまでも充実した生活を送るには、脳の健康を維持することは必要不可欠。
楽しく美味しく認知症を予防できる情報を集めました。
  • 撮影・黒川ひろみ 文・長谷川未緒

東京都や渋谷区、八王子市、埼玉県越谷市、愛媛県松山市といった自治体で、高齢者向け健康施策の一環として導入されている「脳にいいアプリ」。

ベスプラ代表の遠山陽介さんは、家族が認知症になったことをきっかけにこのアプリを開発した。世界最高峰の認知症研究を行うスウェーデンのカロリンスカ研究所などが有効性を示した予防法を、仕組み化したという。

「認知症は近年の脳科学では、予防できることがわかってきています。予防に効果的といわれているのが、運動・食事・脳刺激・ストレス緩和・社会参加の5要素。『脳にいいアプリ』には、その全てを組み込みました」

全国で13万人が利用しているというこのアプリ。インストールすると、スマホを持って出かけるだけで歩数と歩行ペースを測定。その日食べた脳にいいものを記録することで食事管理が行える。

数種類の脳トレはストレス解消効果と、リアルタイムでアプリを使っている人や過去のデータと対戦するため、社会とつながっている感覚に。人工知能を搭載し、使用者の利用状況を学習するため、脳トレに慣れてくると難易度が上がり飽きずに続けられるのポイント。また、ChatGPTを活用し、困りごとを相談できる『なんでも相談』機能も提供するなど、サービス満載だ。

「認知症の早期発見のために、脳にいいアプリの活動状況を家族が見守れる有料サービスの提供も開始しました。認知症のない世界の実現に向けた活動を提案し続けていきたいと考えています」

歩行速度が上がり、フレイル予防に。

1年間アプリを使った人は、使う前と比べ歩行速度がアップ。フレイル(身体機能が低下した虚弱状態)の予防になり、軽度認知障害の進行防止効果も期待できる。

アプリを使えば発症を遅らせられる。

50歳を起点にアプリを使う人と使わない人を比べると、使うことで9年ほど認知症発症が遅くなることが脳神経細胞の量(BHQ指標)から推定できる。

歩く、食べる、遊ぶを合わせて認知症予防。

[ 脳にいいアプリ ]

脳科学の専門家の間で、脳の健康維持に役立つとされている活動を行える無料アプリ。「やらなければ」と気負うとストレスになるから、楽しむつもりでまずは気軽に1カ月試してみると、効果を実感できるという。

ホーム画面ではキャラクターからのアドバイスや、今日の目標などを確認。

手塚プロダクションの協力で、脳トレには楽しいイラストが満載。

ゲームは対戦型になっており、脳刺激にプラスして、社会参加の役割も。

ゲームを終えると、その日のコンディションがわかる結果が表示される。

まだまだある! 脳トレになるアプリ。

(C)Techno Project Ltd.

●CADi2

島根大学が開発した、「脳の元気度チェック」ができる無料アプリ。認知機能のテストやトレーニングも。

(C)2023 PopReach Incorporated

●peak

記憶力、語学能力、クリティカル・シンキング(客観的思考)などを試しながら脳を活性化する無料脳トレ。

(C)2018 TAIYO LIFE INS URANCE COMPANY

●太陽生命の健康増進アプリ

歩行、睡眠、脳トレなどの視点から、楽しく健康づくりに取り組める無料アプリ。健康増進へのアドバイスも。

遠山陽介

遠山陽介 さん

ベスプラ 代表取締役CEO

ヘルスケアのITエンジニアを経て2012年起業。認知症の基礎研究をまとめた「脳にいいアプリ」のサービスを開始。世界普及に向け奮闘中。

『クロワッサン』1102号より

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