更年期のただ中にいる青木さやかさん、「不調もそんなもんだと受け止める」。
撮影・中村ナリコ 文・板倉みきこ
“頑張りすぎず、悲観もしすぎず、 心身を軽やかに保っていきたい。”【青木さやかさん 50歳】
「本質は、常に動いていないといられない、マグロのような人間なんです」とタレントの青木さやかさん。
これまで、自分の体の変化には無頓着なほうで、無理を重ねた結果、急に倒れてしまうこともあったそう。でも今年で50歳。頑張りすぎず、ちょっと疲れたらちょっと休む、というやり方が今の自分に合っていることに気づいた。
「去年、ガクッと体調が崩れたんです。めまいや立ちくらみが増え、リウマチのような症状も出たので、かかりつけの病院で検査してもらいました。リウマチではなく、椎間板ヘルニアだったんですが、血液検査で女性ホルモンが減っていることもわかって……。ああ、更年期に入っているんだな、と」
更年期に対して、先輩方から体験記を聞くことはあっても、自分から積極的に情報を調べずにきた。
「もともと体についてのネガティブな話をするのが苦手だし、気分がズーンと落ち込む話も苦手。良くも悪くも察しやすいタイプなので、不安や恐怖の先取りになる情報はあえて調べないほうがいいか、と思っていました」
ホットフラッシュのような症状があっても、そんなもんだなと受け止める。
「不調の原因を全部更年期に求めず、そのことを忘れて、今を楽しく過ごしていきたいと思っています」
溜め込みやすい性質を変えられるよう実践中。
最近では、不要なものを溜め込まない生き方を実践している。
「数年前、がんに罹患したのですが、先輩が『“癌”という漢字は品が山のように溜まって病になる、と読むよ』と教えてくれまして。これが全てかはわかりませんが、私は溜め込みがちの性質ですので、変えていくきっかけになりました」
とはいえ、性質を変えることはなかなか難しい。アロマオイルで気分転換したり、短時間の瞑想をしてみたり、疲れたらこまめに休むことで、負の感情に流される自分に歯止めをかける。
体調不良にも必要以上に振り回されず、自分を整えることに注力するようにした。そうして心を軽やかに保っていれば体調の変化も緩やかになる気がする。最近、執筆活動も増えてきた青木さんだが、メンタルへの好影響を実感中だ。
「書くことで自分の隠したいところや弱い部分もさらけ出せるようになって、すごく気持ちが軽くなりました。あとは運動も大事ですね。できるだけ歩くようにしたり、ホットヨガを始めたら、眠れるようになったんです。体だけでなく、脳もしっかり休めます」
ここ数年で、自分の体の弱い部分がわかるようになった。
「肺、腰、そして心もそうなんだろうなあ……。そんな弱い部分を労りながら生きていきたいですね」
『クロワッサン』1104号より
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