からだ

聴くだけで認知症予防!? 話題のガンマ波サウンド。

加齢によって変化する人間の脳、骨、筋肉。
いかに生き生きと保つか、その研究は各分野で日進月歩。
暮らしの中で役立つ情報を集めました。
  • 文・長谷川未緒 イラストレーション・黒川ひろみ

人生100年時代、脳の健康は幸せに欠かせないが、日本では2025年に65歳以上の5人にひとりが認知症に罹患すると推計されている。

認知症にはいくつか種類があり、その7割を占めるのがアルツハイマー型認知症だ。アミロイドβという健康な人の脳にも存在するタンパク質の代謝がうまくいかずに脳の神経細胞の周囲に蓄積。すると、神経細胞の働きを妨げ、脳を萎縮させ、発症すると考えられているのだ。

認知症は、発症すると残念ながら完治することは難しいが、予防は期待できる。

WHOは認知症のリスクを低減する12項目のガイドラインを発表。運動や生活習慣の改善といったアプローチに加え、五感からの刺激を通じて、脳に刺激を与える認知的介入が注目されている。

中でも国内外で研究が進んでいるのが聴覚刺激だ。マサチューセッツ工科大学の研究ではマウスに40ヘルツ周期の断続音(周波数1キロヘルツの音を1秒に40回オン・オフする)を聴かせることで、情報処理をする際に増加するガンマ波という脳波が発生、アミロイドβタンパク質が減少したのだ。

目的地へ向かう、戻るときなどに機能する空間記憶も改善したという。ヒトに対して40ヘルツ周期の断続音と断続光を同時に与えた実験でも、ガンマ波が発生するという同様の結果が得られた。

若年の健常者、高齢の健常者、軽度のアルツハイマー型認知症患者の3層で、脳室の拡大と海馬の萎縮の抑制が報告されている。今後、研究が進むことで、音刺激によるガンマ波発生により認知症を予防する商品やサービスの提供増への期待が高まっている。

日常生活に40ヘルツ周期音の刺激を。ガンマ波サウンドスピーカー。

独自のガンマ波変調技術を用い、テレビなどの音を40ヘルツ周期に変調。日常生活の中で、「聴く刺激」を無理なく自然に続けられる。kikippa 4万9500円、月額利用料1,980円(シオノギヘルスケア TEL.0120・117・715)

『クロワッサン』1094号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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