睡眠コーディネーターに教わる、ぐっすり眠るための「安眠ルーティン」。
撮影・中村ナリコ(人物)、黒川ひろみ(静物) イラストレーション・sino 文・一澤ひらり
【日中の緊張モードをほどき、眠りの森への快眠ルーティン。】
快眠のための秘訣.1【 スマホは手放し、水分補給をして パジャマで眠る。】
就寝するまでの快眠ルーティン、これを習慣化することがよい眠りに導く、と友野なおさん。
「大切なのはリラックスを司る副交感神経を優位にして、体をお休みモードに切り替えることです。入浴して就寝30分前になったら、部屋の照明を暗めにして、PCやスマホなどを見るのをやめましょう。ブルーライトは睡眠ホルモンのメラトニン分泌を抑制してしまうので睡眠に悪影響を与えます」
軽くストレッチして体をほぐし、就寝中の脱水を意識して水分補給をしておくことも大切だ。さらに上質の睡眠を招き寄せてくれるのが、パジャマを着て眠ること。
「理想的な睡眠時間は7時間といわれています。それだけの時間、ずっと身に着けるのですから、肌ざわりがよくて、吸水性や吸湿性の高いコットンやシルクのものを選びましょう。寝返り上手は睡眠上手です。パジャマが一番寝返りがしやすく、質の高い睡眠の大切なパートナーになってくれます」
7時間もの睡眠中は水分摂取ができず、寝汗もコップ1杯ほど出るので、朝は脱水状態に。そのためにも寝る前の水分補給は欠かせない。「抗酸化作用のある南アフリカ原産のルイボスティーや、血液をサラサラにするそば茶、抗ストレス作用のあるレモンを入れたぬるめの白湯など、ノンカフェインのものを飲めば穏やかな気持ちで安眠できます」(友野さん)
どれを選んでいいのか迷ってしまうのがパジャマ。「肌ざわり抜群の綿100%のガーゼ素材は吸湿・吸水性がよく、しかも気軽に洗濯できて、安心感があります」。また、シルクは肌ざわりと風合いがよく、保温性・吸放湿性に優れている。「熱伝導率が低く、冬は寒い外気を遮断して暖かく着ることができます。肌に優しく敏感肌の人にも」。
快眠のための秘訣.2【 ゆる~っと体をほぐして脱力の夢心地。】
熟睡するためには全身がゆるんだ状態であることがカギになる。
「ここで紹介するストレッチはどれも簡単にできるものばかりですが、体の緊張をほどき、心身ともにリラックスできるようになります。呼吸が深まるので血流もよくなり、体も温まって入眠しやすいです。スリープヨガのポーズは無理せず、気持ちよさを味わって。そのままベッドに入れば、朝まで心地よく眠ることができます」
椅子ヨガ
呼吸を深くするポーズ。椅子に座って、肋骨のあたりに両手を置き、5秒かけて息を吸いながら胸を大きく開いていく。次に5秒かけて吐きながら胸をゆっくり閉じていく。これを3~5回繰り返すと、日中の前かがみの姿勢で浅くなっている呼吸を深くしてくれる。
筋弛緩運動
全身をゆるめるメソッド。椅子に両脚を軽く開いて座り、目を閉じる。手をグーで握り、つま先を天井に向け、頭からつま先まで全身にグッと力を入れて5秒キープ。次に息を吐きながら一気に全身の力を抜く。これを3~5回繰り返すと心身の緊張がほぐれる。
スリープヨガ
コブラのポーズ。うつぶせになり、両ひじを曲げて胸の横に置く。4秒かけて息を吸いながら、手で床を押して上体をゆっくり起こす。息を吐きながら、さらにあごを上げて上体を反らす。そのまま3呼吸キープし、4秒かけて息を吐きながら体をゆっくり下ろす。これを3~5回繰り返す。
『クロワッサン』1059号より
広告